開発の苦労は?新しいデザインは?『Lair』開発元Factor 5へロングインタビュー
ドイツ時代にCommodoreのAmigaで名を馳せて以来、ゲーム業界の一線で常にその高い技術力を発揮してきたFactor 5のトップJulian Eggebrecht氏。PS3期待のオリジナルタイトルLairも、先日はデモ版のリリースが決まったそうで、とうとう開発の終わりが見えてきたみたい。
そこで今回、著名なテクニカルライターのDean Takahashi氏が彼に詳細なインタビューを試みました。旧知の二人はかなり突っ込んだインタビューになっていますが、今日はそこから開発中の苦労やこのゲームの特徴について詳しくお届け!
Dean Takahashi:開発中にリスクは感じましたか?あなたの犯した、最大の賭けは何でしたか?
Julian Eggebrecht:このゲームで最大のリスクは、普通ではない独特のタイトルであることです。オリジナルのIPでは常に、何重ものリスクを抱えます。そして、これは新しいジャンルです。我々のゲームの前に、数百万本を売ったような例はありません。たくさんのリスクを抱えていれば、一方でたくさんの報酬を手にできます。私達は、このシームレスな世界を作りました。新しいジャンルです、マクロからミクロへのゲームプレイを持ちます。空から陸へ、全ての戦闘システムを持ちます。こういったシステムは最大のリスクであり、最大の売りでもあります。実際、これは独特のゲームです。
Dean Takahashi:PlayStation 3で一体何が出来るか、どれぐらいで掴むことが出来ましたか?
Julian Eggebrecht:私達が?これまでに?(笑)基本を理解することは難しくありません。ええ、そこからは険しい上り坂です。皆がそれを360やWiiと比較して同意します、そう的外れでもないでしょう。その黎明期において、PS2の上り坂とは違います。
興味深い疑問はこんな感じで起こります、"おいおい、俺らPS3へ永遠に最適化できるぞ!"。PS3には、間単にそして永遠に、あなたがさらなる半年間を費やせるより多くのシチュエーションがあります。そして、より多くのパワーを得ることが出来るでしょう。RSXは既に知られたものです。しかし、この点Cellはとても限りないです。
Dean Takahashi:この世代のゲーム機において、大きな制約があると私が聞いたことは全体のメモリ量です。あの512MBは、あなたがPCで利用できる2GBと比べてそう十分ではありません。
Julian Eggebrecht:ああ、そうです。でも私達は8年前にも5年前にもその話をしませんでしたか?ハイ、正直なところ最後の4から6週間はLairをメモリに詰め込むため、私達は地獄でしたよ。でもね、同じことをRebel Strikeでもやりました。いつだって、メモリの量は足りないと不満です。SonyでもMicrosoftでも、もし256MBしかなかったら致命的な間違いだったと私も考えますが、512MBはおそらくスィートスポットです。あなたは、どうやってデータをストリーミングさせるかを考えるべきです。
Dean Takahashi:ラウンチタイトルは、常にいくらか妥協します。Lairについて、他のPS3のゲームでまだ我々が見ていない特徴は何ですか?
Julian Eggebrecht:そうですね。基本的にこのゲームは、20,000フィートの視界と1メーターの視界でほとんど同様のディテールレベルをもつ唯一のゲームです。またリアルタイムに大気を計算し、全ての光をリアルタイムに計算する唯一のゲームでもあります。昼と夜のサイクルを持ち、水面には流体力学的なシミュレーションを持ちます。半年前には出来なかったことです。私達には時間が必要でした、これのためにはSPUが必要です。
Dean Takahashi:ゲーム中には、どんな楽しみが可能になりますか?
Julian Eggebrecht:可能になること…、初期のレベルをプレイするならそれは昔ながらに直線的な体験でしょう。Rogue Squadronでは街がありました。とてもよい見た目で、どんどん破壊されます。しかし、ゲームプレイはリニアでした。次のレベル(Lairの第2ステージ)では、地上に軍隊が出始めます。地上と空中にターゲットがいて、両者をシームレスに移動できるという仕様ゆえに、プレイヤーが自身で引き起こす新しいゲームプレイを体験します。私達はそこに、比較的あいまいなミッション目標を設定しているのです。プレイヤーがそこを突破するやり方を見ると、私達には驚きでした。
Dean Takahashi:それでは、未だ技術的に解決が困難だと感じられる部分はどこですか?また別のゲームで、あなたはどんなことに挑戦しますか?
Julian Eggebrecht:我々にとって、そのチャレンジは全てをマルチプレイヤーに入れることでしょう。このマクロからミクロへのスケールで。ここではオンラインを付け加えただけ、ハイスコアボードとチャットだけです。次のステップは、もちろんマルチプレイヤーとなるでしょう。私は、そこでGears of Warと彼らのオンラインCo-opプレイの巨大なファンです。私のためにも、それは備えなければなりません。
Dean Takahashi:そして、Sixaxis。これもあなたにとって最初の試みとなりますが、如何ですか?
Julian Eggebrecht:はい、あのフリフリするSixaxis。私にとっては、振動よりモーションコントロールです。もし選択肢を貰えたら、必然的な次の進化として選ぶでしょう。Blu-Rayで多くの容量を、Cellで多くのCPUパワーを、RSXでピクセルシェーダを得ました。コントローラはどうですか?それは、360についての私の一つの不満です。誤解しないでください、それは非常に良く出来ています。しかし、コントローラに関しては何も変わりませんでした。SonyやNintendoは、より一歩踏み出しました。Nintendoは、さらに10,000マイル先に行きました。絶対使わなければならないということではありませんが、このゲームのポイントの一つです。
Dean Takahashi:最後に、あなたが取り組みたいと思うのは、どんなタイプのゲームですか?
Julian Eggebrecht:"マクロ?ミクロ"ワールドは、ほとんど未開拓です。そこではただ殴りあうだけでなく、もっと別のことが出来ます。GTAはその一つの例で、これらのタイプのゲームは利用できます。このエンジンを使えば、ハードウェアを活用してそれをうまく見せることが出来ます。定まったジャンルにも、たくさんのことが出来ます。私はわかりませんが、恐らくシューター方面でも。そこには、とてもたくさんの可能性があります。
(ソース&イメージ: MercuryNews: “Lair For The PlayStation 3: A Q&A With Factor 5 Chief, Julian Eggebrecht”)
【関連記事】
荘厳かつ美麗『Lair』トレーラーのドラゴンに酔いしれろ!
巨大生物も襲来!またまたド迫力の『Lair』新着スクリーンショット
大迫力の高解像度スクリーンショット公開『Lair』音楽もハリウッドで!
『Most Wanted Games』2007年に期待のゲームトップ10: PS3編
『Pinata』や『Banjo』は?世界に通じるゲーム作りとは…Rare社ロングインタビュー
チームベースのサバイバルゾンビアクション『Left 4 Dead』Devインタビュー
続報はまだか?これぞ次世代『Assassin’s Creed』詳細インタビュー
『Lost Odyssey』や日本の360は?FF?GoW!?坂口博信氏ロングインタビュー
今年はついに発売へ!?『Tabula Rasa』詳細インタビューと新着画像
『flOw』そのユニークなゲームデザインを開発元にインタビュー
© Sony Computer Entertainment America. All rights reserved.