ファンタジーMMOはもう沢山でしょ?5年目の『EVE Online』トップが強みを語る
10年前のMMO草創期から開発が進められ、宇宙を舞台にしたユニークなMMOとしてひっそり始まったEVE Online。 似たような世界観と似たようなシステムのMMOが、洪水のように現れては消えていく中、その独自性を武器に今では大きく伸びているようです。アイスランドにあったりするCCP GamesのトップHilmar Petursson氏が、最近GamesIndustry.bizのインタビューに答えました。
「なぜ、この上さらにファンタジーMMOをしようとするのか、自分にはまるで理解できないんです。なぜ、World of Warcraftのクローンを作りますか?」
EVE Onlineは、海外らしい本気で壮大なハードSF世界観と印象的な美しいグラフィックを持つ、文字通りに宇宙規模なMMORPGです。RPGといっても主人公は実質船に近く、オールドPCファンには懐かしいトレードメインのスペースコンバットシムをRPGにしたような感じ。その広大な宇宙は一つであり、全員が同じネットワークに接続してプレイするというMMOのコンセプトを貫いてるゲームでもあります。
「World of Warcraftは、このジャンルの完璧な実現です。それは、既になされました。違うことをするべきです。
これは、その大規模マルチプレイヤーゲームがMUD(マルチユーザーダンジョン、パソコン通信時代から遊ばれたテキストベースの仮想空間)において生まれたという事実と関係があるのかもしれません。
そしてMUDでは、ファンタジーが主流でした。常に単調なレベル上げの類や、そういったことも全て。自分で毎回同じ落とし穴に嵌まるような、今開発している側もその経験があまりに染み付いているのです。」
「もしBlizzardが、(SFの)StarcraftをMMOにして、それをWorld of Warcaftと同じようにポピュラーなゲームとして仕上げるのであれば、我々のアカウントベースは奪われるよりむしろ増加すると考えています。
World of Warcraftが出た時、既にそれはおきました。だいたい6ヶ月から8ヶ月して、EVEにやってきます。彼らはWoWをプレイした後、次の(それとは違った)ゲームを探していたのです。
Earth & Beyond(Westwood/EA、コンセプトの良く似た感じで当時のライバル)の時も、Star Wars Galaxies(EQの後釜として、当時の大本命…)が始まった時もです。私達には不都合であるよりも、むしろ多くのチャンスを与えてくれました。」
散々な運命を辿ったライバル達を尻目に、独自性を武器としてMMOの供給過剰時代をどうやらしたたかに生き抜いたEVE Online。
相当昔のベータ時代にプレイした記憶がありますが、当時としてもユニークなコンセプトで注目を集めるも、やたらめったら開発に時間がかかっていて、ここまで成長していたとはちょっと驚き。なんと今や16万人(本文中では、さらに20万人とも)を越えるユーザーを集めているんだとか!
紆余曲折して迎えたサービスインからは、とうとう今月で5年目に突入。ちょうどこの夏には日本語版も開始されるんだそう。
彼の言う脱ファンタジー、脱MUDを真面目に模索していたあの頃のMMO(≒MMORPGとは限らないものも普通に多くて)には、なにかギラギラした次は俺!みたいな心意気を感じられたものですが、なんともこれは貴重な生き残りやも。
(ソース: GamesIndustry.biz “EVE Online boss questions glut of fantasy MMOs”)
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