リアリティ・バイツ!ソニー側は教会に謝罪へ…『Resistance』の一件から学ぶこと
今週日本のテレビメディアまで賑わすことになってしまった、Resistance: Fall of Manとイギリス国教会、ゲームの舞台にされたマンチェスター大聖堂の一件。海外からは連日様々な反応が出ていますが、おなじみ業界ニュースのGamesIndustry.bizでは硬派の分析を寄せています。
題して、”Reality Bites“(1994年の映画、現実をつきつけられる意)。今日になってまたソニー側は謝罪することで幕を引きたい構えですが、教会は未だ発売中止を求めているみたい。
マンチェスターの司教は、Resistanceにおける大聖堂の"フォトリアリスティックなクオリティー"による再現が問題の一つであったと、最近のインタビューの中で言及しました。
もし従来までのゲーム機で、Resistanceが発売されていたらどうでしょう。もっと抽象的で、ぼやけていたりカクカクだったりする大聖堂なら。ゲームの内容に対する反発は、ここまで感情的になってはいなかったかもしれません。
誰が見ても現実とは全くかけ離れてほとんど抽象的だったパックマンから、一目でそれとわかるResistanceやMotorstormの現実的な世界へ。これはビデオゲームが一般的な娯楽への階段を上る過程の一つです。
メル・ギブソンのアポカリプトは古代の滅びた文明を舞台にしながら(その暴力性で)非難の渦を呼びました。ダビンチコードは宗教団体からその描写をただされ、リンカンシャーの大聖堂を使用したことに抗議を受けました。ハリーポッターですら、強硬派には異教崇拝の教えになるとして子供に見せるべきではないと嘲られます。
これは、メインストリームとなった全てのメディアが取り組まなくてはならない難問です。
今日になって英国BBCなどが伝えるところによれば、ソニーが条件付ながら"心から謝罪する"という手紙を送り、遺憾の意を表明したみたい。教会側は依然として販売の中止(あと大規模な献金…!?)を求めているようですが、これについてはコメントなし。
今回のコラムでも、GTAの舞台にされるニューヨークやMercenariesとベネズエラ政府の話題が取り上げられていますが、特に進化のヘッドルームが大きいこの手のゲームで次世代機になった見た目のギャップは、なるほどかなりのもの。
今回はResistanceが槍玉に挙げられてしまいましたが、これまで単なるゲームの雰囲気で済まされていたものが、大挙して今その一線を越えてしまうタイミングであるというのも間違いなさそうです。
もっともこれ、映画の世界で撮影舞台との関係性を見れば明らかなように、表現力を増して主流メディアになるということは、モデルにされる側にとっても本来は必ずしも悪いことばかりではないハズ。
どうしても成長期のメディアにとってこうした新たな問題は、今はまだ規制して抑止する方向にのみ論じられてしまいがちですが、今回の一件でただ萎縮してしまうよりもむしろ、今後の新しい協力関係を築くきっかけにしてもらいたいものです。
(ソース: GamesIndustry.biz: “Reality Bites”) (イメージ: Flickr)
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