新しい操作から気になる結末まで! 『メタルギアソリッド4』 E For ALL海外インタビュー
実は日本語もペラペラだったりする、RyanさんのBlogより。ラジオの出演は、小島氏のこの辺でもDL公開中
かつて同じ舞台で行われたE3からは数分の1という、こぢんまりとした規模ながら、広く一般ユーザーに向けて初めて開催されたロサンゼルスのE For Allエキスポ。中でも海外で初めてプレイアブル出展されたMetal Gear Solid 4: Guns of the Patriots(メタルギアソリッド4)は、ショウの目玉として今回も大変大きな注目を集めています。
今日は、日米のゲーム事情に通じた小島プロダクションの貴重な橋渡し役で、最近海外メディアの窓口としても多く活躍されている、本作のアシスタントプロデューサーRyan Payton氏の海外インタビューをご紹介。
いよいよ完成が見えてきた今回のデモプレイの様子から、我らがスネークの完結編として、今から気になるゲームのエンディングについてまで(!)、ちょっと大胆にサービス精神たっぷり、開発の様子を率直に語ってくれています。
Joystiq: では、最初の質問です。みなさんPlayStation 3にとって、おそらく最初の目玉ソフトを発売するというプレッシャーは、お感じでしたか?
Ryan Payton: それはもう本当に。ほら2005年のTGSで、僕らが最初にゲームを発表した日からもうずっと感じていますよ。ゲームが成功するまで、それはそれは多くのプレッシャーがあります。だってもしゲームが失敗したら、もうコナミ一社の問題じゃなくて、ソニーや果ては日本のゲーム全体にまで影響がでそうです。
そうは言ったものの、自分はまったく心配してません。ゲームが一体どうなるか、毎日開発を進める度に全体が少しずつ見えてきて、作品の仕上がりにはとても楽観しているんです。既にゲームは順調で、まさに"Solid"なデモと共にこのE For ALLにやってきました。あ、Solid(※俗語で素晴らしいといった褒め言葉)のところはカッコでお願いね!
実際のところ、今スタジオで動いてるゲームはもっとだいぶ違うんだけど、ゲームプレイも、メニューの見た目すら……。このデモの後にもどんどん作業は進んでいるから。これを気に入ってもらえても、まだゲーム全体の8割ぐらいが垣間見れる状態かな。
またもオタコンの指令から始まる、今回のE4All版デモプレイ。タイトル画面からその1
Joystiq: それでゲームのエンディングは、もう完成しましたか? シリーズのファンとして、製作者として、ご自身が満足されるものになりましたか?
Ryan Payton: ああ、そいつは絶対!うーん、エンディングについて言えることは……つまりソリッド・スネークの最終章。これに関しては、もう冗談抜きで、タネも仕掛けもなし。
正真正銘、彼の人生と彼の歴史の中で、これが最終章。そんな訳で、僕らはエンディングで彼に敬意を表し、それは壮大で長いものですよ。
発売から二日もしたら、エンディングは大きな話題のひとつになると思います。Blogや掲示板を賑わすような凄いことが、ゲーム中にいくつかあるからきっとみんな、「これ信じられる!?」ってね。エンディングもそんな様な感じかな。長い間、ずっと話題になることでしょう。
Joystiq: では、ハードコアなゲーマー達が、封を切ってゲームのディスクを入れてから遊び終わるまで、プレイ時間はどのぐらいになりそうですか?
Ryan Payton: それはちょっと難しい質問です。なにせ僕らは、まだAIを実装したりステージなんかを調整してる最中だから。ステージはできてるんだけど、敵のスクリプトとかそういうのがまだなんです。
それに、単なるステルスやアクションとは違った別のゲームモードもあるんですよ、これは20〜30分ぐらいのプレイで、もっと違った別のジャンル。 まだ完成していないので、今は確かなこと言えないんだけど、こういうのが全部揃ったらSnake Eaterの時よりは長くなると思います。ちょっと待って……うん、こりゃ絶対長くなるね。
Joystiq: その別のゲームプレイモードというのは、どんなものかお話してもらえますか。もしかして、乗り物を使った奴とかですか?
Ryan Payton: 言えたらいいんだけど、そんなことしたら殺されちゃうよ。自分もやっぱり驚いてもらいたいし。発売の1週間前とかにでもならないと、これについては明かさないんじゃないかなぁ。パッケージの裏に載せて、「えっ、ちょ。こんなことできんの?!……人を撃つだけじゃなく?」とか、みんなにね。
海外では毎回話題に上る4軸操作は、今回ついに彼が日本のオフィスへ今時の人気シューターを並べて洗脳したそうな
Joystiq: ゲームの操作方法について、2種類用意されるというのは本当ですか?一つは西洋のゲーマーにとってより親しみ深いスタイル、もう片方は日本人向けです。こうした仕様にすると決まったのはいつ頃ですか?
Ryan Payton: 一週間前ぐらいかな。コジマさんが僕のところに来て、「ライアン、ヨーロッパとアメリカ版のゲームについては、君が大いに担当してくれ。プロダクションに関してだけでなく、ゲームプレイの見地についてもだ。デフォルトのコントローラ配置、ゲームの難易度やバランス……。これらのところを全部、あちらのゲーマーを念頭に置いて調整するように」
今のところ自分が言えるのは、日本版よりゲームが難しくなりそうってことかな。あの肩越しのゲーム視点は、僕が期待するところでは、大変重要なポイントになります。これをデフォルト仕様にしたいんです。それで、オートエイムとかは後からオプションで選べるように。照準が自動ってのは、戦闘の駆け引きを損なうと思うんだよね。
自分もTGSで気づいたんだけど、僕らがあれを用意したのは、日本のゲーマー達がプレイする時って、PS3のコントローラーを持ったら、みんな右手の親指全然動かさないし、右スティックに触ろうともしないんだ。カメラは一切動かそうとしないんだよね。こうしたフル3Dの視点操作というのは、彼らにはまだ学習が必要なことみたい。
Joystiq: コントローラ自体についてのお話ですが、DualShockがPS3に復活するという話はどれぐらい前に知ったのですか?
Ryan Payton: まったく土壇場で。TGS前の2週間かそこらじゃなかったかな。最終的に連絡を聞いて、ゲームに実装し始めるためにドライバ貰って……。本体のシステムやコントローラへもう一度組み込むのに、Sonyは本当に努力していたよ。振動はもうありそうにないと考えるようになっていたから、嬉しい驚きでした。
しゃがんでじっとしていると表示されるリングセンサー。波打つようにして、相手がいる方向の気配が察知できるように
Joystiq: 今回のデモでは、キャラクター名の表示が"Old Snake"になっていますが、これはもしかして本編のある部分では、もっとヤングなスネークを操作できたりとかしますか?
Ryan Payton: 自分が言えるのは、それ冗談のつもりだろうということです、ホント。ヒデオ・コジマ一流のジョークですよ。年を取ったけれどソリッドスネーク、自分はそれもメタルギアの魅力の一部だと思います。
Joystiq: Threat Ring(※スネークの周りの白いリング)って、TGSのデモの時はありましたっけ?
Ryan Payton: ええ、E For Allのために調整してもっと分かりやすくしたんです。これこそ自分が、MGS4の本当に重要な部分だと思うところです。これまでのレーダーを取りやめにして、360度どこから敵が来ているかわかる、白いリングをつけました。これは、今まで他のゲームになかったのが信じられなくなりますよ。
Joystiq: では、最後の質問です。その、なんだかきっとご存知だと思いますが……。
Ryan Payton: Xbox 360版がいつ出るかって?(笑)いいえ、ゲームはPlayStation 3専用ですよ。それが、自分が言えることの全てです。
Joystiq: これから先のご予定は。日本にいつ戻られるのですか?
Ryan Payton: ここロサンゼルスにあと一週間は仕事があって、ゲームのオープニングムービーを作っているスタジオと働いています。僕らは、ロスでもかなり伝統にとらわれないスタジオと一緒に取り組んでいて、今回のオープニングとエンディングは、もう街の噂になっちゃうんじゃないかな。オープニングムービーはこれまでになかったもので、これからも決して出てこないでしょう。ヒデオ氏の発想ならではのものなんです。
現在、僕らは本当にゲームの開発に集中しています。僕らにとって、今回が本当に最後のトレードショウ。今はゲームを最後まで仕上げるべく、みんなカンヅメモードです!
(ソース: Joystiq: “Joystiq interview: MGS4’s Ryan Payton”)
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