ひだまりスケッチで百合語り
- 1 :名無しさん@秘密の花園:2007/01/30(火) 01:51:31 ID:E2ThSBjp
- アニメ化もされたほのぼの四コマ漫画、ひだまりスケッチのスレ
アニメ放送局と時間
TBS 毎週木曜日 25時25分〜 1月11日(木)〜
CBC 毎週金曜日 26時40分〜 1月19日(金)〜
BS-i 毎週木曜日 24時30分〜 1月25日(木)〜
MBS 毎週土曜日 26時25分〜 2月24日(土)〜
掲載誌はまんがタイムきららキャラット
ttp://www.dokidokivisual.com/
コミックスは現在2巻まで発売中
- 266 :名無しさん@秘密の花園:2008/08/25(月) 23:30:31 ID:/2o+D4MG
- 電波きてたんで書いてみた、文章とかキャラとかゴチャゴチャでスマヌ
「ゆのちゃんの様子がおかしい?」
ヒロはお茶を淹れながら、テーブルに突っ伏している宮子に問いかける。
「ヒロさーん、質問に質問で答えるとテスト0点になるんですよー」
「はいはい、じゃあ相談には乗らなくていいのね?」
ヒロはクスクスと笑いながら、宮子と自分の前にお茶を並べる。もちろん、お茶受けである菓子も。
宮子は、しまった、という顔をして、正座をし、ヒロに向きなおった。
「いやー、最近一緒に帰ってくれないし、学食にも一緒に行かないし、
なんとか捕まえて話しかけてもはぐらかして、なんかさけられてるんですよー。
眼が合うと逃げるようにどっかいっちゃうし」
お茶受けのクッキーを口の中に次々と放り込みながら、宮子は最近のゆのの様子をヒロに伝える。
ヒロは「そうねぇ…」と考え込みながら、お茶をすすり、恨めしげに宮子を、宮子の口に運ばれていくクッキーを眺めた。
「あ、ヒロさんはダイエット中でしたよね?私がヒロさんの分も食べますからご安心をー」
残り数枚のクッキーに宮子が手を伸ばす。しかし、その手はヒロによってはじかれた。
「みやちゃんはもう少し遠慮というものを知るべきだと思うわ。無理でしょうけど……」
あきれ顔をしながら、宮子の手をはじいた手で、クッキーを自らの口に運ぶヒロ。
口にいれ、よく咀嚼し、「うん、おいしい♪」と満面の笑みを浮かべる。
「いやー、でもマジな話、ゆのっちに嫌われちゃったのかなー…私」
再びテーブルに突っ伏す宮子。いつも見慣れているヒロでさえ、その体勢に心なしか元気がないように見えた。
「なんか悪いことしちゃったのかなー、ヒロさんたちには、普通に接してますもんねぇ?」
「そうねぇ、いつもと変わらないと思うわ。
でも、みやちゃんが一緒にいると、明らかに避けてるようには見えるわね」
うーん、と考え込む二人。
- 267 :名無しさん@秘密の花園:2008/08/25(月) 23:31:02 ID:/2o+D4MG
- いや、ヒロには答えが出ているのだが、その答えはヒロの口からではなく、
ゆのから宮子に直接伝えられるべきだと、ヒロは思っていた。
昔、沙英にもそういう時期があった。
その時は、自分から、沙英に問い詰めたのだが、そういう状態の人はなかなか口を割ってくれないものだ。
そうわかっていても、自分が教えるわけにもいかない、と考えて、である。
「ゆのさんが、そのうち自分からそのワケを話してくれるんじゃないかしら?たぶん、そう遠くないと思うわ」
「ですかねー、だといいんですけどー…」
宮子はフローリングに寝そべると、体を伸ばし、立ち上がった。
「ゆのっちはー、大切な友達だからなー。
いや、ヒロさんたちも大事な先輩ですけど、ゆのっちはまた特別っていうか…相方?」
「相方って…」
宮子が真面目に考えているのはわかっている。しかし、どうしても笑いをこらえられず、ヒロは噴き出した。
確かに、二人の関係は、相方、というのが正しいのかもしれない。姉妹とも違うし、親子とも違う。
特別な、それぞれが「この人しかいない!」と思いあう間柄だと、ヒロも感じていた。
「んー、ゆのっち、どうしたのかなー。私のこと嫌いになっちゃったのかなー」
前屈しながら宮子は独り言のように続ける。
「また一緒にご飯食べたり、遊びに行ったりしたいなー…」
今度は体を後ろに反らせながら。
「そうねぇ、みやちゃん、やっぱり寂しいわよね?」
「そうですよー、寂しいんですよー。宮子は寂しいと死んじゃうんですよー」
うさぎじゃないんだから…。ヒロはそういいながら、きれいに飲み干された湯呑と、
すっかりからっぽになったクッキーが入っていた皿を片づけ始めた。
- 268 :名無しさん@秘密の花園:2008/08/25(月) 23:31:56 ID:/2o+D4MG
- 「まぁ、ゆのさんが話してくれるまで、待つのが一番なんだけど…」
ヨガの修験者のようなポーズをしている宮子に、湯呑を洗いながら、ヒロは言った。
「ゆのさんに、直接問い詰めてみたら?」
「いやいやヒロさん、それはまずいっしょー、もし嫌われて、
『みやちゃんなんかどっかいっちゃえ』とか、『みやちゃんなんか大っきらい!』
とか言われたら、私もう立ち直れませんもん」
そうじゃないと思うんだけど・・・。
ヒロはその言葉をぐっと押し込めて、宮子をたしなめる。
「でも、こわがってばっかりじゃ、何も変わらないし。
みやちゃんは、ゆのさんが自分からいってくれるのを待てるような子じゃないでしょう?」
「それもそうなんですけどー、ゆのっちに嫌われたら、って思うと、やっぱ尻ごみしちゃいますよー」
少林寺拳法だろうか?中国人が朝方に行うような動きをしつつ、宮子はうーんうーんと唸っている。
「まぁ、最後にどうするかを決めるのは、みやちゃんだから、私はこれ以上なにも言えないわ」
そう、ここから先は、宮子と、ゆの、二人の問題なのだ。自分が関わっていいのは、ここまで。
湯のみと皿を洗い終えたヒロは、冷蔵庫の中から朝に作っておいたサンドウィッチを取り出した。
- 269 :名無しさん@秘密の花園:2008/08/25(月) 23:32:52 ID:/2o+D4MG
- 「ヒロさん、それ、くれるんですか?」
宮子は眼を輝かせながら、ヒロの持つサンドウィッチを物欲しげに見ている。
「違うわよ、沙英のとこに持ってくの。だから悪いけど、きょうは帰ってもらっていいかしら?」
ヒロがそういうと、宮子は仰々しく敬礼をし、
「了解です、ありがとうございました!」と、軍隊のような挨拶をして、部屋から出て行った。
ヒロは、沙英の部屋に行く気は、実はなかった。
このサンドウィッチは、自分の夜食にするつもりで作ったもので、
沙英の部屋に持っていく気など、なかったのだ。
しかし、ここから先は、宮子が、自分自身で決めることだと思い、
少々意地悪なやり方で、宮子を部屋に帰らせたのである。
「沙英も、あんな感じだったわねー…」
懐かしそうに、ヒロは独りごちた。
さて、このサンドウィッチは、沙英と一緒に、おいしく頂くことにしよう。
沙英が、自分に告白してきたときのことを、思い出しながら、
沙英の部屋のドアをたたくヒロは、どこか楽しそうであった。
- 270 :名無しさん@秘密の花園:2008/08/25(月) 23:33:28 ID:/2o+D4MG
- はぁ、と部屋にため息の音が響く。
「みやちゃんに、あんな態度とっちゃうなんて…」
ゆのは涙目になりながら、最近の自分の行動を思い返していた。
心配して声をかけてくれる、一緒に帰ろうとしてくれる、元気づけようとしてくれる宮子を避ける自分に、
激しい自責の念を感じながら、ゆのは再びため息をついた。
気がつくと、いつも隣にいてくれた、自分にないものを持っている、素敵な友人。
元気づけてくれる、励ましてくれる、いつもそばにいてくれる。
そんな彼女をいつからか、異性として意識してしまうようになったのだ。
「やっぱり私、ヘン、なのかなぁ…」
女子が女子に恋愛感情を抱く。マンガや、ドラマの中だけだと思っていたが、よもや自分がそうなるとは。
しかし、一度意識してしまうと、もう抑えることはできなかった。
宮子と、一緒にいたい。ずっと、ずっと、そばにいてほしい。
彼女の顔をみると、嬉しくなり、同時につらかった。
自分が女であること、彼女が女だということ、どちらをのろったりもした。そんな自分が嫌いだった。
「苦しいよぉ…みやちゃん…」
痛む心、それを受けて自然とあふれる涙を、ゆのは抑えられなかった。
- 271 :名無しさん@秘密の花園:2008/08/25(月) 23:34:50 ID:/2o+D4MG
- みやちゃん、みやちゃん、みやちゃん…
なんどもその名を、自分しかいない部屋で呼ぶ。
こんな自分を、宮子もきっと嫌うだろう。そうなれば、彼女は私から離れていく。
私は、彼女を忘れることができる。
そう思って、宮子に冷たい態度をとっている。ここ何日間か、宮子と口を聞いた記憶がない。
「みやちゃん…みやちゃん…好きなのに…好き、なのにぃ…」
なんで私は女なの?なんでみやちゃんは女なの?
女の子が、女の子を好きになるって、そんなに変なこと?
枕に顔をうずめながら、流れてくる涙をこらえられず、答えのない自問を繰り返す。
どれくらいの間そうしていただろうか。気がつくと、まどろみの中に落ちていたようだ。
時計の針が、4つほど進み、午後9時17分を指している。
夕食も食べずに、寝てしまったようだ。胃が悲鳴を上げている。制服も、しわがついてしまった。
赤くはれた目を擦りながら、寝がえりを打つと、そこには、宮子の姿があった。
「あ、ゆのっちおはよー、よく寝てたから、起こさなかったけど、なんかあったの?泣いてたよ?」
大丈夫?と問いかけてくる宮子の姿を見て、ゆのの思考はパニックに陥ってしまった。
- 272 :名無しさん@秘密の花園:2008/08/25(月) 23:35:21 ID:/2o+D4MG
- なんでみやちゃんがここに?私、寝ながら泣いてた?寝言、何か言ったかな、聞かれたかな?
目、腫れてる、言い訳できないや…、ていうかみやちゃん、不法侵入だよ…。
でも、心配してくれたんだ。嬉しい。嬉しい…。
やっぱり、私はみやちゃんが、目の前の、太陽のように眩しい、ひだまりを私にくれる少女のことが、好きだ。
ゆっくりと、起き上がり、ゆのは宮子の正面に座った。
「ゆのっち、目、真赤ー」
にこにこと、宮子は指をさす。
ゆのはえへへ、と少しはにかんで、自分の思いを、宮子に打ち明ける決心をした。
『あの』
二人の声が、同時に部屋に響いた。
少しの間の後、二人の笑い声。
「あはは、いいよー、ゆのっち先にどうぞー?」
「いや、その、みやちゃんから、私はあとでいいよ?」
あぁ、この空気だ。みやちゃんと一緒にいるときに、いつも感じる、温かい、陽だまりのようなこの空気。
みやちゃん、ごめんね、私、もうこうやって笑えなくしちゃうかもしれない。
でもごめんね、私、やっぱり言いたいんだ。
みやちゃんに、どう思われても、私はみやちゃんのこと、好き。
やっぱり、伝えたいよ。
ゆのっち、ごめんね。辛い思いさせてるなら、私は、すぐにゆのっちと距離を置くよ。
だって、ゆのっちは、いつも笑っていてほしい。
泣き顔もかわいいけど、その涙は、嬉しい時にしか、流しちゃだめ。
かなしい涙は、ゆのっちに似合わないよ。ゆのっち、ずっと笑っていて…
そんなゆのっちが…私は…
- 273 :名無しさん@秘密の花園:2008/08/26(火) 00:09:48 ID:pV5XdEUG
- 続きまだですかー?
- 274 :名無しさん@秘密の花園:2008/08/26(火) 00:10:23 ID:XCTCqXwn
- しばらく、互いに譲りあって、結局宮子が最初にゆのに問いかけることになった。
宮子は真剣な面持ちで、口を開き始める。
「ゆのっち、さ、最近私のこと…その、避けてるよね」
あぁ、やっぱり、そう思われていた。
そう思われるような態度をとっていたのだから、当たり前なのだが。
「でね、私がなんか悪いことしたなら…その、ごめん、謝る。
だから、またできれば一緒に遊んだり、ご飯食べたり…してくれないかな、って」
宮子の目に、涙がにじむ。
みやちゃん、そんな顔しないで。みやちゃんは、そんな顔似合わない。
みやちゃん、泣かないで。みやちゃん、笑って。私は、笑ってるみやちゃんが、好きなんだから。
「あの、ね、そういう…こと、なんだけど」
上目遣い、ゆのを見る宮子。
そして、息をのむ。ゆのが、泣いている。目から、涙が流れている。
「ゆのっち…?」
「うぁ…ちが…あれ?何…で……。ごめ、なみ…とまら…」
思わず立ち上がり、ゆのの隣に座る宮子。ティッシュを取りだし、ゆのの涙を拭く。
ゆのはされるがままにされ、宮子は、その間涙を拭き、ゆのの背中を必死でさすっていた。
しばらくして、ゆのが泣きやみ、宮子は再びゆのの正面に座った。
ゆのが、ゆっくりと口を開く。
「みやちゃん、あのね」
ごくり、と唾を飲む宮子。
「私、みやちゃんのことが、好き」
「私も、ゆのっちのこと好きー」
ううん、とゆのは頭を振る。
宮子の目をみて、ゆのはもう一度、繰り返した。
「私は、みやちゃんが、友達としてじゃなく、好きなの」
あぁ、言ってしまった。
- 275 :名無しさん@秘密の花園:2008/08/26(火) 00:11:39 ID:XCTCqXwn
- ちょっと前までは、言うつもり、なかったのにな。みやちゃんが、居てほしい時に、私の部屋にいるから。
いつか、ずっとずっと先に、みやちゃんのことを忘れたころに、笑い話にでも、しようと思ってたのに。
みやちゃん、気分悪くしちゃったかな。ごめんね。みやちゃん。でも、伝えられて、私、すっごく嬉しいんだ。
「いつ、から…?」
宮子は、うつむいたまま、ゆのに問いかけた。
「えっと、いつからだろ、わかんないや」
へへ、と笑ってみせる。
「最近、私のこと避けてたのは…?」
当然の疑問。
「みやちゃんに嫌われれば、私も、みやちゃんのこと、忘れられるかな、って…」
「それだけ?私のこと、嫌いになったとかじゃなくて?」
「そんなこと、ありえないよ。私、みやちゃんに、いっぱいいっぱい、いろんなものもらった。
元気づけられた。ううん、そんな言葉じゃたりないくらい…いっぱい。
だから、みやちゃんのこと、大好き。ずっとずっと、一緒にいてほしい。
みやちゃん、私、みやちゃんのこと、好きだよ。ずっと一緒に居たいよ…」
また、涙があふれ出る。
気持ち悪いと思われたかもしれない。でも、自分の気持ちにこれ以上、嘘はつけなかった。
精一杯の告白。どう思われても、私はこのことを悔いたりしない。
- 276 :名無しさん@秘密の花園:2008/08/26(火) 00:12:35 ID:XCTCqXwn
- 「ゆのっち!」
宮子は立ち上がり、ゆののことを抱きしめた。
「みや、ちゃん…?」
ゆのは、突然のことに何があったのかわからなかったが、現状を把握すると、わたわたと暴れ出す。
「みやちゃん、苦しいよ、力強いよ、みやちゃん?」
息がつまりそうになる。それほど強い力で、自分は抱きしめられているのだ。
そう思うと、苦しさの中に、喜びすら沸いてくる。
「ゆのっち!」
宮子は抱きしめていた腕を離すと、ゆのの肩に手を置き、その目をみつめた。そして、口を開く。
「ゆのっち、私いま、すっごい嬉しい。だって、ゆのっちが私のこと嫌ってなかった。
好きだって言ってくれた。大好きだって。ずっと一緒にいたいって。
それも、友達としてじゃなくて、私のこと、好きだって。ゆのっち、私もゆのっちのこと大好き!」
「みやちゃ…」
ゆのが口を開きかけたところに、宮子は唇を重ねた。
されるがままにされるゆの。ゆっくりと、二人は目を閉じる。
あぁ、みやちゃんの唇、やわらかいな…。なんか甘い味がする。みやちゃん、だーいすき…。
- 277 :名無しさん@秘密の花園:2008/08/26(火) 00:13:24 ID:XCTCqXwn
- 「ゆのー、起きてるー?」
ドンドンと、ノックの音が聞こえる。聞こえてくるのは、沙英の声だ。
ゆのはその音に驚き、ベッドから飛び起きた。
「ひゃ、ひゃい!今開けます…ってちょ、ちょ、ちょっとまってください!」
「はいはーい、ゆっくりでいいよー」
思い出した、昨日、自分は宮子に告白をし、受け入れられ、そして…。
そこまで考えて、ゆのは真っ赤になった。
私、今、ハダカ…。
みやちゃん…ハダカ…あ、みやちゃんこんなところにほくろがあるー…
……夢じゃなかったんだ、私、みやちゃんと…
て、そんなこと考えてる場合じゃないや。
今日は土曜日で、学校はないけど、この状況で沙英さんが入ってきたら…!
「みやちゃん!おきて!みやちゃん!」
必死で宮子の体をゆするゆの。
宮子は一向に起きる気配がない。しかたない、宮子は寝ぼけて服を脱ぎ、自分の寝床に潜り込んできたということにしよう。
「ゆのっちー…かわいー…らいすきー…」
よだれをたらし、寝言を言う宮子の額に、軽く口づけて、ゆのは急いで服を着、沙英を迎えるべく玄関へと赴いた。
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