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自衛官自殺、上官の言動は違法 高裁、国敗訴の判決

2008年8月25日13時31分

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 海上自衛隊佐世保基地(長崎県佐世保市)に配備された護衛艦「さわぎり」で99年、乗員の3等海曹(当時21)が自殺したのは上官のいじめが原因だったとして、宮崎市の両親が国に慰謝料2千万円の支払いなどを求めた訴訟の控訴審判決が25日、福岡高裁であった。牧弘二裁判長は「いじめとは認められないが、上官の言動は指導の域を超える違法行為」と認定。両親の訴えを棄却した一審・長崎地裁佐世保支部判決を変更し、国に計350万円の支払いを命じた。

 3曹は99年、四国沖を航行中の艦内でロープで首をつって自殺した。海自佐世保地方総監部は乗員への聞き取りなどから「原因は特定できないが、いじめはなかった」とする調査報告書を公表。両親は不服として01年に提訴した。

 一審判決は、上官らの3曹への言動に不適切なものがあったとしながら、「艦の安全航行にかかわる重要な作業を行う立場にあり、ある程度の厳しい指導にさらされるのはやむを得ない」として、違法・不当ないじめ行為があったとは認定できないと判断。また、3曹が自殺当時、少なくとも軽症のうつ病だったことは認められるが、自殺の可能性まで予見することは困難だとして、上官らに自殺を防止すべき注意義務違反はなかったと結論づけた。

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