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耐震基準満たさず 4県立病院


 岩手・宮城内陸地震、岩手北部地震と、相次いで大規模な地震に見舞われた本県で、4つの県立病院の建物が国の耐震基準を満たしていない。釜石、江刺、大槌、大東の各病院は、震度6強以上の地震で倒壊の可能性がある。県耐震改修促進計画では、釜石病院の耐震改修が予定されているが、そのほかの病院は未定。改修事業は多額の費用が必要になるため、138億円余りの累積赤字を抱える県医療局にとっては、財源の確保が課題になりそうだ。

 27の県立病院・診療所のうち、1981年以前の旧耐震基準に基づいて建築された施設は9つ。このうち、遠野病院は98年、高田病院は99年、花泉地域診療センターは2003年に耐震改修を行った。

 花巻厚生病院と北上病院は、来春から中部病院(仮称)として統合し、新築の建物に移転するため、耐震基準を満たすことになる。

 残り4病院が耐震基準に満たない。釜石は77年、江刺は80年、大槌は65年、大東は69年の建設。02年までに実施した耐震診断では、いずれも「耐震改修の必要性あり」と判定された。

 07年に策定された県の耐震改修促進計画では、広域基幹病院である釜石病院については、15年度までに耐震改修を実施する予定。しかし、実施年度は決まっていない。

 最大の問題は事業費の確保。県医療局の試算によると、釜石病院は約1億1400万円、江刺病院は2億2000万円が見込まれ、07年度に過去最高の累積赤字を記録した県医療局にとっては負担が大きい。

 県医療局管理課の熊谷俊巳総括課長は「来年度からの新経営計画の中で耐震化の位置付けを行い、収支の状況を見ながら総合的に判断していきたい」としている。

【写真=国の耐震基準を満たしていない県立釜石病院。2015年度までに改修予定だが、実施時期は未定だ=釜石市甲子町】

(2008/08/25)

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