【ロンドン=森千春】英国のサッチャー元首相(82)の長女キャロルさんが近く出版する回想録の一部が、24日付の英紙メール・オン・サンデーに掲載され、元首相が認知症を患い、記憶力も減退していることが明らかになった。
記事によると、元首相を公私にわたって支えた夫のデニスさんは2003年に死去したが、元首相はデニスさんが亡くなったことを忘れがちで、キャロルさんが繰り返し言い聞かせているという。
キャロルさんが元首相の記憶の異状に気づいたのは2000年。昼食時に、90年代に旧ユーゴスラビア・ボスニアで起きた紛争と、在任中の82年に自ら指揮をとったフォークランド紛争とを混同したのがきっかけだった。その一方で、第2次世界大戦のころの配給食料の調理法について、10分間も話し続けるほど元気な時もあるという。
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