毎日新聞Webサイトで,
驚くようなニュースが報道されていました。
(以下引用)
『個人情報:担任が占師に児童の障害相談 秋田の小学校』
秋田県男鹿市の小学校に勤務していた男性教諭(40)が、特別支援学級の男子児童について、保護者に無断で名前や障害の程度などを占師に告げ、治療方法を相談していたことが分かった。教諭は「子供の障害が良くなればと考え、相談した」と市教委に説明している。
市教委学校教育課によると、教諭は07年初め、神奈川県内の占師を訪問。児童の名前や生年月日、障害の内容などの個人情報を伝え、「どうしたら良くなるか」と占いを申し込んだ。インターネットの「病気が治った」という書き込みを見て、この占師を知ったという。
教諭が同4月、「占いで、岡山の治療師のところに行けば治る可能性があると言われた」と保護者に話したため、不審に思った保護者が学校に相談して発覚した。市教委と教諭は保護者に謝罪し、占師に連絡して個人情報を削除してもらったという。
教諭は06年4月から同校の特別支援学級を担任しており、今春に県内の他の学校に異動した。同課は「保護者に無断で個人情報を漏らし、占師に頼ったことは不適切だった」と話している。
(引用ここまで)
…。
先生の熱意はわかります。
担当する児童のために,なんとかしてやりたい! という気持ち,すごく大事なことだと思います。
でも。
いくらなんでも,方法がおかしすぎますよね?
個人情報漏洩も教師として当然してはならないことだけど,行き先が占師(しかも遠く離れた県外の!)のところだし,しかもさらに遠く離れた治療師(っていうか,治療師ってどんな職業?)のところへも行くことを検討しているなんて。
もはや,どこにどうツッコんでいいのかわからないんですが。
それだけの熱意があるなら,まずはその子への対応について学内のほかの教員とか,知り合いの医師や心理士とか,身近なひとに相談できたんじゃないのかな。
「(はるか遠くの)治療師のところへ行けば治る可能性があると言われた」と保護者に報告できるくらいには保護者との関係がとれているんだったら,自分が学校でのその児童に対する対応に悩んでいることをまず保護者に報告して,よりよい支援法を見出すために保護者と一緒に地元の医療機関へ相談する道などを考えてみてもよかったんじゃないのかな。
…でも,もしかしたら。
この教諭をサポートする体制も十分には整ってなかったのかもしれません。
まわりに相談できるひともあまりいなくて,先生ひとりで思い詰めて,最終的にこういうやりかたになってしまったのかな。
特別支援教育は,特別支援学級の担当の先生だけがするものではなくて,すべての先生方が取り組んでいくべきもの。
そしてもちろん,特別な支援を必要とするこどもたちへの対応に取り組むのは,学校の先生方だけではないはず。
今回このニュースのような形で明るみに出てきたけれど,これは決してこの先生ひとりの問題じゃない。
特別な支援を必要とするこどもたちに関わるすべての専門家や支援者(教育,医療,福祉,心理,…もちろん親御さんも!)が,それぞれ孤立せずお互いに協力し合って支援体制のネットワークを築けるようにがんばっていかなきゃいけない,ってことなんだろうな,と思います。

↑ ランキング参加中!よろしければクリックお願いします♪
コメント
コメントはまだありません。
コメントを書く