伊那中央病院(伊那市)で産婦人科外来診察室の改修工事が行われている。4月から上伊那で分娩(ぶんべん)を扱う唯一の公立病院となったことなどから外来患者が増加しており、施設を拡充して対応する狙い。9月下旬から使用を始める予定。
新たな診察室は現在の診察室(120平方メートル)の南側の庭に独立して建設。鉄骨平屋建て、延べ床面積280平方メートル。産科と婦人科でそれぞれ1室ずつある診察室と内診室を倍の計八室に増やし、母乳の指導など行う助産師指導室や看護師詰め所なども設ける。耐震構造の建物で、事業費は約9000万円。
同病院の産科医は5人。産婦人科の外来診療は、常時3人の医師で対応している。診察室の拡充に伴い「対応するマンパワーの問題は残るが、常時4人の医師で対応可能な施設にはなる。患者の待ち時間の短縮など利便性は向上すると思う」(事務部)と話している。
現在の診察室は他の診療科で利用する。
昭和伊南総合病院(駒ケ根市)で常勤の産科医が不在となった4月以降、伊那中央病院は週3日、産科医1人を昭和伊南病院へ派遣し、妊婦健診や婦人病などの診療に当たっている。しかし、外来が予想以上に混雑するため、当初32週まで予定した妊婦健診は20週前後で伊那中央病院を紹介している。婦人科も入院が必要な患者は伊那中央病院で対応するため、外来患者は増加傾向という。