ホーム > きょうの時鐘


2008年8月25日

 世界が注視した北京五輪が幕を閉じた。数々のドラマを生み感動を与えてくれたが、中国の変わらぬ体質を見た大会でもあった

熱戦を終えた選手の顔はどれも誇らしげだ。だが、その陰ではネットによる選手批判もある。陸上で中国のアテネ五輪金メダリストが棄権したことで、ののしりがネットに書き込まれているようだ。「中国人民のメンツをつぶした」「敵前逃亡だ。弱虫!」…

米国バレーボールチームの監督になった元選手に対しても同様だという。熱くなるのはわかるが、しょせんはスポーツ。思いやりのない身勝手さに、その国の品位がうかがえよう

超大国へ脱皮を狙った大会だった。が、人権をアピールして設置したデモ専用区は「わな」のようで、デモの申請者には労働教育を命じていたという。大会期間中、チベットで弾圧があったとの話もある。偽装開会式を含め一時的な体裁をつくろうだけでは世界の信任は得られまい

五輪閉会式は信頼できる国への開会式でもあろう。人権問題をはじめ、公害や食の安全をめぐり厳しいレースが始まる。これからの姿こそ世界が注視する。


ホームへ