24日午前0時5分ごろ、世界遺産に登録されている京都市伏見区の醍醐寺境内から出火、木造平屋の観音堂「准胝堂(じゅんていどう)」147平方メートルと隣接の休憩所50平方メートルを全焼した。
醍醐寺によると23日深夜に大きな雷鳴の直後、停電があった。寺は「落雷が原因と思われる」とし、府警山科署も落雷で出火した可能性があるとみて調べている。
同署によると僧侶2人が火災に気付いたが山中で携帯電話が通じず、停電で電話も使えなかったため徒歩で下山。通報までに約30分かかった。7月28日にも落雷で国宝の唐門の柱に亀裂が入る被害があり、寺は「雷に強い防災設備の導入を検討していたが間に合わなかった」と話していた。
醍醐寺は真言宗醍醐派の総本山。豊臣秀吉が花見をしたことでも有名。金閣寺などとともに「古都京都の文化財」として世界文化遺産に登録されている。境内は国宝の五重塔などがある下醍醐と約2キロ離れた上醍醐に分かれ、出火したのは上醍醐。准胝堂は平安時代に創建、昭和43年に再建された。