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カレー毒物混入事件

癒えぬ傷かかえ前向き手探り/カレー事件

2006年07月27日

 発生から8年を迎えた和歌山カレー事件。和歌山市園部の公園で26日、慰霊祭が営まれた。遺族や被害者の傷はいまだ癒えないが、事件前の明るさを取り戻そうと住民らの取り組みが続く。  (奈良部健)

 自治会が2年前、林真須美被告(45)=一、二審で死刑判決、上告中=の自宅跡地に造った花壇には、ピンクのコスモスや黄色のガザニアなどが咲いている。

 夫の谷中孝寿さん(当時64)を亡くした千鶴子さん(69)が「被告宅跡地でも、自治会長だったお父さんならきれいであることを望むはず」と、近くの5、6人と一緒に、水やりなどの世話を続けてきた。

 7月から、花壇の水やりが自治会の当番制になった。

 8年たった今でも土地に入れない人もいるが、谷中さんは「できる人ができる範囲でやればいい。みんなの花壇という思いが強くなってくれれば。気持ちをつなぐ花壇になってくれたらいい」と話した。

 ヒ素中毒被害に遭った50代女性は、いまも足の指がしびれる。

 医者は「ヒ素の影響ではない」と言うが、昨年の高裁判決ごろまで不安は続いた。その後、「いつかは治るやろ」と思えるようになり、仕事も始めた。

 外では食べられないカレーも自宅で作っている。息子は「無理して作らんでもいい」と言うが、女性は「いつまでもこだわっていたら元に戻れない」と話した。

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