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カレー毒物混入事件

事件の影響「今も」6割/朝日新聞調査

2008年07月27日

 発生から10年がたつ和歌山市のカレー毒物混入事件について、朝日新聞和歌山総局は、遺族・被害者と園部第14自治会員の計70世帯を対象にアンケートを実施した。その結果、事件による地域への影響を今も感じているとする世帯が、回答の6割を超えていた。10年たっても、地域社会に与えた事件の衝撃がなお消えていないことがうかがえる。

 70世帯のうち、ほぼ半数の34世帯(48・6%)が回答を寄せた。内訳は遺族・被害者が25世帯、被害を受けなかった自治会員が9世帯。各世帯の代表者1人に答えてもらった。

 「事件の地域への影響を今でも感じるか」との質問には、16世帯が「感じる」、5世帯が「やや感じる」と回答し、計21世帯が事件の影響が残っているとしている。具体的には「事件のことを抜きには、自治会の行事が決まらない」(50代男性)という意見があった。

 生活への影響を「事件直後」と「現在」で尋ねたところ、「事件の話は避けている」が、事件直後、現在とも14世帯あった。「地区外の人に、園部と言いにくい。『ああ、カレーのね』と言われるのが嫌」(60代女性)、「命があった人はいいが、遺族には(事件の)話はできない」(70代女性)といった声も寄せられた。

 近所の付き合い方と頻度は、事件直後と比べて「変わらない」が19世帯。「つきあいが増えた」は8世帯で、「つきあいが減った」は3世帯だった。

 同様の方法で02年に実施した前回アンケートと回答状況を比較すると、遺族・被害者は25世帯で同数だったが、被害を受けなかった自治会員は前回の18世帯から半減した。朝日新聞の記者に対し、「今さら事件について聞かれるのは迷惑」「関係ないから帰って」「事件はもう覚えていない」などとして回答やアンケート用紙の受け取りを拒否した世帯も多く、事件に対する意識の変化の一端もみられた。

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