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赤ちょうちんが「緑ちょうちん」になった理由、食料自給率向上を目指す日本-前編

赤ちょうちんが「緑ちょうちん」になった理由、食料自給率向上を目指す日本-前編
 東京・吉祥寺にある「お茶漬けBAR ZUZU」―夕暮れ時には肉を焼く香ばしい香りが辺りに漂うこの店では、ほかの居酒屋とは一線を画したある「違い」が目に飛び込んでくる。それは居酒屋の象徴でもある赤提灯(ちょうちん)ならぬ「緑提灯」が掲げてある点だ。

「食材のおいしさや安全性を、お客さまにも知っていただきたいんです」と話すのは、同店舗マネジャーの中原健太さん。鹿児島県の指定農家から「さつま地鶏」や「かごしま黒豚」を仕入れている中原さん自身も鹿児島県の出身。

「食材の6割が国産の食材なんですよ」と、かつては来店客に説明していたという中原さん。現在では、「地場産品応援の店」と記された緑提灯を店先に下げているため、説明は不要だという。

 外国産食材への依存性の高まりを懸念して始まった「緑提灯運動」。日本の食料自給率向上を訴える緑提灯「第1号」は、2005年に北海道にある飲食店の店先でその明かりをともした。

 緑提灯運動の加盟店舗数は、現在1300店舗以上。緑提灯は、掲げる店舗での国産食材使用率(カロリーベース)が5割以上であることを示している。

 緑提灯運動が加速したのは今年1月。中国産の冷凍ギョーザを食べた計10人が食中毒症状を訴えた事件をきっかけに、日本では食料自給率への懸念が高まった。農薬がギョーザに混入した事実については一致した見解を持つ日中両国だが、混入場所についての議論は以前として平行線のまま。一連の事件をめぐる議論が続く中、日本国内に流通する冷凍食品の過半数が中国産であるという事実にも注目が集まった。

 1965年の「カロリーベース総合食料自給率」は73%だった日本。しかし2006年には39%にまで落ち込んでいる。

 この水準について「先進諸国の中で最低」と指摘するのは、緑提灯の生みの親である丸山清明氏(元北海道農業研究センター所長)。「誰もが安全な食品を口にしたいはず。しかし外国産食材の場合(安全性を見極めるのは)難しい」。

「国産の食材も100%安全とは言いきれない」と指摘する同氏。しかし、「生産地が近ければ、その危険性も察知しやすくなる。わたしにとって“緑提灯運動”では、安全性と同様に、透明性が大切なのです。食材の生産地は知るべき情報なのです」。

 現在、小麦粉などの国際的な価格高騰による影響を受けている日本で、緑提灯運動は大きな注目を集めた。日本の耕地面積は1961年以降、約260万ヘクタール縮小。これは、中国・広東省内の耕地面積とほぼ同一だという。

 元農林水産省関係者によると、日本に残された耕地面積は460万ヘクタール。国民への食料供給を考えると海外からの輸入に頼らなければならないのが現状だという。

 この問題を受けた農林水産省は、食料自給率を引き上げるべく「食料自給率戦略広報推進事業」として17億円を投入。各メディアに広告を掲載し、食料自給率をめぐる国民の意識改革に努めている。(c)South China Morning Post/David McNeill

(続く)


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