「グズ内閣」と酷評した自民党幹部は誰だ？

　福田首相のあまりの無能ぶりに、身内の自民党内から信じられないボロクソ批判が噴出した。２０日付の朝日新聞で、自民党の幹部が福田内閣をこうなじったと報じられたのだ。

「この前の組閣と一緒。召集日ごときで何も決められない『グズ内閣』だ」

　確かに福田が“グズ”なのは事実だ。内閣改造だって、日銀総裁人事だって、福田が煮え切らないからグズグズ、ズルズルした。とはいえ、身内の幹部がそれを言っちゃオシマイ。一体誰なのか？　永田町では早速“犯人”捜しが始まった。

「さすがに党四役は言わないでしょう。発言が自分の身に降りかかってしまいますから。小泉時代のスピード感と比較しがちな改革派……、となると、中川（秀直）さんの周辺か武部さんか。『グズ』という言葉、武部さんなら使いそう」（自民党中堅議員）

　武部は現在、党改革実行本部長の任にある。が、子飼いのチルドレンは１人も政務官に登用されず干され、グループ「新しい風」会長の立場ナシ。本人も世論調査のデータを見る限り、選挙は厳しい。さぞ、福田に腹を立てていることだろう。

「麻生支持の連中も怪しい」というのは、自民のベテラン秘書だ。

「福田から麻生への『禅譲』話も、麻生周辺がイイ気になって勝手に話を膨らませた、という見方がある」

「ポスト福田」最右翼の麻生に党内が揃ってなびく状況の今、麻生周辺なら誰が福田を“グズ”と酷評してもおかしくない。

「参院幹部だ」という声もある。

「臨時国会の召集日でも、９月下旬を求める公明党に早くから同調姿勢を見せていたのが参院自民党だ。おしゃべりな幹部もいるからねえ」（別の自民党中堅議員）

　まだ特定はされていないようだが、こんな発言が出るほど自民党内がグチャグチャになってきたということ。同じ２０日付の産経新聞には、党四役のひとりが「福田さんで次の選挙をやるのはどうなんだろうね」と漏らした、というくだりがある。

　完全に末期症状だ。

（日刊ゲンダイ2008年8月21日掲載）