海外旅行の満足度1位はインドネシア――。国土交通省が日本人旅行者の多い15の国・地域を対象に旅行者の意識調査をしたところ、こんな結果が出た。旅行前の期待度と旅行後の満足度の差を比べると、「期待外れ感」が最も強かったのはフランスと中国だった。
過去3年間に海外旅行をした3千人にアンケートし、期待度と満足度を100点満点で答えてもらった。
旅行後の満足度では、バリ島が人気のインドネシアが1位で、ドイツ、米ハワイと続いた。インドネシアは05年10月に起きたバリ島の爆弾テロ以降人気が落ちていたが、テロ組織の幹部が相次いで逮捕され、バリ島―中部空港間の直行便が6月に再開されるなど人気が回復している。
期待度と満足度の比較では、フィリピンとカナダは満足度が上回り、インドネシアや豪州、米国本土などもほぼ「期待通り」だった。フランスは期待度は1位だったが、満足度との差が激しかった。中国はホテルへの不満度が高いのが特徴という。
今年2月にサンプルを集計し、公表した。調査した国交省観光事業課は「インドネシアは特に食や宿への期待が高く、満足度とのギャップも小さい。期待度が特に高いフランスは、満足度も低いわけではない」と分析する。
大手旅行社のJTB(東京)は「バリはリゾート人気が高く、エステやマッサージ、雑貨、エスニック料理など女性が好むものがそろい、一方で物価が安く、『お得感』が満足度に反映されている」という。フランスなど欧州諸国は、質の高いサービスが得られるものの、物価が高いため「これだけお金を払えば当然」という感触が生まれ、満足度に影響しているのではとみる。
福岡県によると、昨年、福岡空港から出国した日本人の渡航先は(1)中国(17万2300人)(2)韓国(17万2千人)(3)台湾(10万2500人)(4)タイ(5万5千人)(5)シンガポール(5万1千人)で、アジア人気が高かった。