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【国際】

シリアにミサイル提供 ロ検討 親米イスラエル射程

2008年8月24日 朝刊

 【カイロ=内田康】グルジア情勢で欧米と対立するロシアが、米国がテロ支援国家に指定するシリアに対し、ミサイルを供与する検討を始めた。ロイター通信によると、シリアに隣接する親米国イスラエルを射程に収める兵器で、事態を重くみた同国のオルメルト首相は九月上旬にもロシアを訪問する方針。グルジアをめぐる大国間の対立が中東に飛び火している。

 シリアのアサド大統領はロシアのソチで二十一日、メドベージェフ大統領と会談し、ロシアの立場を公に支持した。シリアはトルコの仲介でイスラエルとの和平協議を進めているが、その一方で、米国と対立するロシアとの関係も深める戦略とみられる。

 ロイター通信によると、ロシアはシリアに対空・対戦車ミサイル防衛システムの供与を検討。イスラエルに対してはグルジアに武器を供与しているとして強く非難している。

 ロシアのラブロフ外相は二十一日、イスラエルの軍事力の強大さを指摘し「軍事バランスを壊さない範囲で、兵器をシリアに売却する用意がある」と述べたという。オルメルト首相は訪ロで武器売却を阻止する構えだ。

 カイロ・アメリカン大学のサデク教授(政治学)は本紙の取材に「グルジア紛争を機にイランもロシアとの接近を図るだろう」と話す。国営イラン通信は二十日、「ロシアはグルジアの挑発に対応しているだけだ」との在テヘランのロシア大使の見解を伝えた。

 

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