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元恋人からの仕返し急増、背景に少子化(上)

昔「破局で涙」、今「破局で血」? 今どきの恋愛は「別れたら仕返し」

暴力・執着など…スッキリ別れられない若者たち

兄弟少ない成長環境、何でもすぐ手に入る世代「失うなんて耐えられない」

おとなしい男ほど別れると「DV男」に

子供のころから「怒り」の表現を教えるべき

[ケース1] 先日、大学生のイ・ヨンジンさん(24)はインターネットでログインしようとして、目の前が真っ暗になった。電子メールやミニホームページのパスワードがすべて変えられていたのだ。このため、イさんは入社を志望した会社から来た合格通知のメールを見ることができなかった。さらに、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「サイワールド」の親しい仲間たちからは、しばらくいじめられた。誰かがイさんのパスワードでミニホームページに侵入して悪口を書き込んだため、誤解を招いたのだ。それから2週間後、イさんの元カノから携帯メールが届いた。「パスワードまた元に戻しておいたから。もしかしてほかの女ができたんじゃないかと思って、確かめたの」

[ケース2] 会社員キム・ジョンミンさん(26)は、2年間交際した彼氏に別れを告げた後、悲惨な状況に陥った。元カレは無理やりキムさんを車に乗せ、暴力を振るい、勤務時間中にもひっきりなしに携帯メールを送りつけ、電話をかけてきたため、日常生活がマヒした。キムさんは「このどん底からいつ抜け出せるのか分からない」と涙ぐんだ。

 度を越えた「破局後の仕返し」が増えている。恋人と別れ、感情のコントロールができなくなり、相手に執着するのは昨日今日のことではない。問題は、以前に比べ怒りを抑えられなくなった人々の数が確実に増えているということ、そしてインターネット・携帯電話といった通信技術の発達により仕返しの方法が多様化したということだ。

◆兄弟の数少なく自己中心的な態度が「DV」に 

 専門家らは、「兄弟の数が少ない環境で自己中心的に成長してきた影響が大きい」と分析している。精神科専門医のパク・チンセン院長は、フロイトの精神分析学を引用、「人間の行動を左右する原則には、現実原則(現実に適応するため欲求充足を自制すること)と快感原則(快楽を追い求めようとする傾向)があるが、新世代の若者たちは快感原則により強く支配されている」と説明する。言い換えると、「以前は兄弟が多く、我慢して仕方なく順応しなければならない状況が多かったが、最近は親が簡単に欲求を満たしてくれるので、快感原則に支配されるケースが多い。だから葛藤(かっとう)を処理するのも未熟」ということだ。

キム・ミリ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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