【北京=西堀卓司】北京五輪で野球の日本代表が23日、米国との3位決定戦に敗れ、メダル獲得はならなかった。2012年のロンドン五輪では競技種目から外され、「有終の金」を目指して五輪に臨んだ星野ジャパン。まさかの結末に選手たちは「こんなはずじゃなかった」とうなだれた。
9回。灼熱(しゃくねつ)の日差しの中、日本人ファンが陣取った一塁側スタンドから「このままじゃ日本に帰れないぞ」と厳しい声が飛ぶ。最後の打者、阿部慎之助選手(29)が凡退。一塁コーチャーを務めていた主将の宮本慎也選手(37)はしばらく動けず、米国選手がベンチに引き揚げきったところで、我に返ったようにがっくりと下を向いた。
「日本で金メダルを待っていたファンに申し訳ない」と星野仙一監督(61)。今大会は通算成績4勝5敗と負け越し、「たまたま調子が悪かったというのはある」と弁解しつつ、「日本の野球はこんなもんじゃない」と不完全燃焼に終わった悔しさがにじんだ。(07:00)