« 2006年5月7日 - 2006年5月13日 | トップページ | 2006年5月21日 - 2006年5月27日 »

2006年5月20日 (土)

推薦依頼状

Suisen
政党の公認、あるいは推薦を受け、立候補する場合、その党を支援している団体、組織へのアプローチを忘れてはなりません。

自民党であれば、医師会、歯科医師会、宅建業協会等、
民主党、社民党であれば、労働組合、あるいはその上部団体等です。

党の公認を受けたから、あそこの団体は自動的に応援してくれる、といったことはありません。まず、こちらから依頼しに行かなければ、話は進みません。

推薦依頼状に経歴書、後援会パンフレットを添えて、支援をお願いしにあがるのです。

推薦依頼状はА3横に形にし、中央で切り離せば、推薦状になるようにするのが一般的です。


こういった団体では、新年に互礼会を開催することが多いようです。それまでに推薦が決まれば、会に招待され、その場で紹介してもらえる機会もあります。
また、団体内の会報で推薦を決定した旨を報告してくれる場合もあります。

党の公認、推薦で立候補する場合は、できるならば、年内に推薦依頼をしておきたいところです。

なお、党の公認、推薦で立候補する場合、党の支部からの推薦依頼としたほうがいいでしょう。そのあたりは、党関係者と相談してください。

市民派、無所属、無党派で立候補する場合でも、推薦依頼状は準備をしておいたほうがいいでしょう。
地域の商店街や、企業などから、推薦したいから依頼状を持ってきて欲しいという話が出てくる場合もあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月19日 (金)

選挙違反(その2)

<討議資料>の項で少しふれましたが、文書に関する違反の場合、よほど悪質でないかぎり、まずは注意、警告ということが多いようです。

しかし、この注意、警告で潮をひくように支援者がいなくなったケースを聞いたことがあります。

候補者のためによかれと、後援会の婦人部がこぞって、公示以降に後援会パンフレットを配付し、それが警察の目にとまり、婦人部の幹部が警察に呼びだされました。

婦人部のメンバーは、それが選挙違反だとは知らずにやっていましたから、警察に呼ばれることは、まさに寝耳に水です。

警察としては注意し、以降、違反のないよう指導しただけですが、婦人部のメンバーたちは戦々恐々です。

わたしも警察に呼びだされて注意を受け、始末書を書かされたことがあります。公示までに回収しなければならないポスターを回収する手が足らず、残ってしまったための呼びだしでしたから、わたしとしても、覚悟しての出頭でした。刑事部屋の応接セットや事務机で始末書に署名、捺印するくらいは、まだ、平静でいられましたが、場所がないからと、取調室で署名させられたときは、かなり動揺しました。窓もない小部屋の圧迫感は、形容のしようがありません。取調に耐えきれず、楽になりたいがために自白したという犯罪者の気持ちが少しわかったような気がしました。

このようなところに、突然、呼びだされたら、多くのひとはパニックになって当然です。その婦人部のメンバーたちは、それ以降、金縛りのように、なにも選挙運動ができないまま、投票日を迎えました。結果は落選でした。

選挙違反は絶対にするな、と聖人君子のようなことは申し上げません。選挙中には、わかっていて、グレーゾーンに突入しなければならないときもあります。

しかし、わからないまま、選挙違反をしてしまえば、想定外のことが待ち受けることになります。その先は、選対全体のパニックです。選挙の行方を大きく揺るがせます。

こんな違反をすれば、どんな結果が待っているか、それがわかっていればいいのです。

反対にいえば、お金に関係する違反は絶対にしてはいけないのです。バレなければ大丈夫だろうと、思うかもしれませんが、お金に関する多くの選挙違反は、身内からの通報に端を発するのです。

支援者の輪の核となる部分ができはじめたら、まず、なにが選挙違反なのかを何度も徹底することを勧めます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

選挙違反(その1)

クリーンな選挙を絶対に貫く、と心に誓ったいうひとには必要のないことですが、やはり、選挙違反については、理解しておくべきでしょう。

しらないでやってしまった、というケースも多々、あるのです。

まず、絶対にしてはいけない(基本的には選挙違反はしてはいけないのですが)、お金関係の違反です。

包み隠さずいえば、【買収】です。

「うちの地域で100票、まとめてやってもいいんだけどなあ」
こんなことを言いながら、選挙事務所に入ってくるひともいないわけではありません。
「で、ちょっと、このくらい必要なんだけどな」
と指を何本か、立てるかもしれません。

これは明らかな【買収】です。

しかし、【買収】とは気づかないで【買収】行為をやってしまうこともあります。

選挙運動をしっかりやってくれたから、少しはお礼をと思って、お金を渡してしまうと、これも【買収】になります。

現行の公職選挙法下、賃金を支払えるのは、「街宣車の運転手」「車上運動員(ウグイス嬢」「事務員」「手話通訳」「労務者」等であって、「選挙運動員」には賃金を支払えません。支払ってしまうと、新聞紙面で「お金を支払い、票の取りまとめを依頼した」と書かれることになります。

また、運動員なり支援者に豪勢な料理を振舞ってもいけません。立候補を決意してからは、外で食事をするときは、必ず、割り勘にしてください。これは後援会幹部も同様です。選挙とまったく関係のない会食でも、いらぬ誤解を招きかねません。李下で冠を正さず。多少、窮屈かもしれませんが、きっちりと徹底しておくべきです。

【買収】で選挙違反が確定すると、それが候補者本人が関わっていなくても、連座制が適応されれば、せっかくの当選が無効になってしまいます。

お金の関わるところは、しっかりと締めてかかってください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

<討議資料>

以前、印刷物関係のときにふれた【討議資料】について

選挙が始まるまでは、選挙活動、投票依頼はできません。できるのは、後援会活動です。

そういったなかで、候補者の名前を連呼していると、【選挙のための売名行為】にとられることがあります。

その場で、逮捕といったことまでは、めったにないでしょうが、注意、警告をされるかもしれません。

それと同様に、候補者の名前が書かれた文書を配りまわっていると、同様に【選挙のための売名行為】にとられることがあります。【討議資料】とあれば、「いえ、このひとたちと話しあおうとしていたんです。これは話しあいのときの資料、討議資料なんです」という抜け道もできます。

しかし、これは水戸黄門の印籠のように、絶対的なものではありません。

【討議資料】と入っている文書でも、「きたる○月△日の市議会議員選挙では投票、よろしくお願いします」と書いてあれば、選挙違反です。

また、あまりに目立つような配付をしていれば、注意・警告を受けることもあるでしょう。

ですから、お守り程度に思っていておけばいいのですが、ワープロで文書を作るときなど、隅に<討議資料>と入れる癖をつけておいたほうがいいでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月18日 (木)

一票の格差

憲法論争についてではありません。
衆議院小選挙区や参議院選挙区での一票の重さについてでもありません。

有権者と候補者の間にある一票の重さの感覚の違いについてです。

選挙を棄権するひとはよく、一票ではなにも変わらない、といったような発言をします。

衆議院小選挙区選挙では8〜10万票で当落が別れます。有権者ひとりの一票は1/10万の重さしかないようにも見えます。ひとりが投票しても棄権しても、大勢には影響ないかもしれません。

しかし、現職の議員、何度も選挙をしている議員の多くは一票の重みをよく知っています。

今、一度、選挙管理委員会でもらってきた【選挙の記録】を開いてみてください。

過去の市議会議員選挙の開票結果をじっくり見てください。最下位で当選したひとと次点のひとの差は何票でしょうか? 数十票、あるいは十数票の差のはずです。稀ですが、一票が当落を分かつ場合もあります。

たとえ一票でも届かなければ落選です。一票でも多ければ議員です。

現職の議員たちはこの無情なまでの結果を何度も見てきています。次点で泣き、再起した議員もいるでしょう。選挙の前まで、議場で席を並べていた議員の落選も見てきているでしょう。

一票、足らなければ、そこまで積み上げてきた票は無に帰するのです。2001票で当選、2000票で落選ならば、この一票は、2000票が無駄になるかどうかの分水嶺です。ゆわば、この一票は2000票の価値があるのです。

実際に戦ってみないと、なかなかこの感覚は理解できないかもしれません。

ですが、戦う相手、現職の議員たちは一票での泣き笑いを見てきている、ということを忘れないでください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月17日 (水)

聞いてないよ!

お笑いタレントのネタではありません。

政治家という人種は、どうも、この西田敏行さんのモノマネが得意なお笑いタレントと近いものがあるようです。

自分の耳に入るのが遅いとすぐにヘソを曲げてしまう議員というのは少なくありません。

ですから、親交がある議員がいるなら、あとあとのトラブルを避けるためにとりあえず、挨拶に行っておいたほうがいいでしょう。

また、公認、推薦を受けるつもりはなくても、政策、信条的に近い議員には挨拶しておいたほうがいいかもしれません。

ただし、挨拶に行くにあたって甘い考えは捨てておくべきです。

気に入ってもらえれば名簿をくれるかも……票をまわしてくれるかも……そんなことは、まず、ありえません。

国会議員にせよ、県会議員にせよ、それぞれ系列の議員を持っています。そのなかでひとりだけを特別扱いをするわけにはいきません。

決起大会や出陣式に出席、あるいは祝電をくれる程度に思っておいたほうがいいでしょう。


また、政治家でなくても聞いてないよ!病なひとはいます。地位が高いひとによく見受けられます。

出馬のはらを決めたら、こういうひとのところにはなるべく早めに顔を出しておおたほうがいいでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

名簿を集める

支援の輪を広げる第一歩、それはまず名簿を集める、自分の人脈を整理することです。

家族、親族以外で一番、近いひとたち、それは友人関係でしょう。
年賀状を引っ張り出してくるのもひとつの手です。

ここでやってしまう過ちは、選挙区外のひとをばっさりと切ってしまうことです。

市外に住んでいれば、確かに選挙権はありません。

しかし、選挙権はなくても、選挙区内での人脈を持っているかもしれません。そのひとを通じて支援の輪が広がるかもしれません。

そのあたりも見極めながら、人脈の整理をしてみてください。

また、学校の同窓会名簿を手に入れるのもいいでしょう。同窓生の絆を大切にする校風の学校であれば「※※学校、○△年の卒業です」と言うだけでシンパシーを感じてくれます。

同窓生にアプローチする場合、最初に同窓会長、あるいは支部長にコンタクトをとっておけば、そのあとがやりやすくなることが多いようです。会の責任者が理解を示すようであれば、そのひとの名前で同窓生へ手紙を出すのもいいでしょう(文面はそのひとが書き、発送等の作業は候補者の側でやる)。

ただし、名簿は多ければいいといったものではありません。
名簿の整理のときに少し触れましたが、ただの電話帳では意味はほとんどありません。候補者本人とまったく関係のない学校の同窓会名簿は、ないよりはあったほうがましですが、優先順位は低くなります(そこの理事長や同窓会長が全面的に支援するといった場合は異なりますが)。

この名簿の整理の目的は、それぞれのお宅を訪問し、支援をお願いしてまわることです。
そのとき、なんらかの繋がりがあれば、先方の受け取り方も変わるはずです。

関係が薄い名簿を回るのであれば、ランダムにそのあたりを回るのと変わりがありません。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006年5月16日 (火)

メールの活用

05年に一度、総務省に問い合わせたところ、「電子メールはその文面がそのまま残るので、基本的には文書、手紙と同じ扱いである」との見解をいただきました。

ですから、「投票をお願いします」とメールすることのは、禁止ということです。

では、「支援をお願いします」というメールを次から次へと発信するのはどうなのでしょうか?

やらないほうがいい、それがわたしの私見です。スパムメールと同等に見るひとが多いのでは、と思うからです。

しかし、メールを一切、使わないほうがいいとは思いません。

内部の連絡には、メールは最適です。会議の日程、翌日のスケジュールの確認、あるいはメーリング・リストを使っての情報の共有と、うまく使いこなせば、メールは大きな武器になると思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

インターネットの活用

最近では国会議員のほとんどがホームページを持っています。また、ヤフーなどのカテゴーの地域を開いていくと、いくつかの地方議員のホームページを見つけることができます。

新人候補がホームページを持つことはどうなのでしょうか?

現職議員であれば、議会報告などあるていどのコンテンツを作れます。しかし、新人候補者の場合、経歴、政策、後援会の案内程度で、実質、パンフレットの内容と変わらないことが多々あります。

紙媒体とインターネットの違いのひとつに情報量があると思います。紙、パンフレットではどうしても文字数の制限がでてきますが、インターネットでは(プロバイダとの契約の上限までは)多くの情報を発信することができます。

名刺やパンフレットに記されているurlを入力したり、検索サイトで見つけてたどり着いたホームページにほとんど情報がないと、がっかりするのではないでしょうか。

ずばり、わたしがお薦めするのはブログです。

日々の活動をそのまま日記のようにまとめて掲載するのはいかがでしょうか?
時間にすれば数十分、それにより、自身のなかでの一日の総括もできます。

コンテンツも日々、増えていきます。

そんなことをすれば、他の陣営に情報を流すことにならないか、心配になるかもしれません。

ですが、これはさじ加減ひとつで変わることではないでしょうか。

情報を大切に金庫のなかにしまい込めば、他の陣営に流れることはないでしょう。しかし、同時に支援者をも情報から遠ざけることになります。

どういった種類の情報をどこの範囲のひとにまで持ってもらうか、そのことさえしっかりしておけばいいのではないでしょうか。

ただ、ブログの場合、何点か、留意する事項があります。

まずは、使用約款です。政治活動、選挙運動としての使用を禁じているサイトもありますので、どこのサービスを使うかはじっくり検討してください。

また、コメント、トラックバックの扱いをどうするか、も留意したほうがいいと思います。誹謗中傷的なコメントを書かれ、それへの対応に追われてしまえば、大切な活動の時間が奪われてしまいます。

それと最大の留意点、それは、選挙期間中は更新しない、ということです。
現状、総務省では、インターネットでの政治活動を認めていますが、その条件として、選挙期間中の更新はしない、ということになっているかと思います。

このあたりは、まだ流動的な部分ではありますから、情報には敏感でいていただきたいところです。

さすがに、選挙が始まれば、ブログを更新する時間はなくなるかと思いますが。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

トレードマーク

「小さな看板」の項で書いたように、候補者の名前が書かれた看板等は公職選挙法上、規制されます。ですから、運動員用に揃いのジャンパーを準備しようとしても、その胸や背中に「候補者の名前」や「候補者の名前を類推するもの」を入れることはできません。

しかし、反対に言えば、「候補者の名前を類推しないもの」を入れるのは許されるということです。

法律のこの隙間をぬって、多くの議員、政治家は自分のトレードマークを作り、使っています。

重要なことは、そのマーク自体に、候補者の名前を入れないことです。

名前がなければ、確かに「名前を類推」ことはないが、それだと意味がないのでは?

選挙中にぽっと使えばそうでしょうが、名刺やパンフレットにも使っていれば、徐々に浸透していくのではないでしょうか。

法律の抜け穴を突くような使い方をしないにせよ、信条、政策が反映されたトレード・マークを持っておけば、そのマークの説明をするだけで、候補者を理解してもらえる機会になるのではないでしょうか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月15日 (月)

小さな看板

街を歩いていると、ときおり、議員の名前が書かれた小さな看板を、その議員の事務所前でもないところで見かけることはありませんか? 小さいといっても、正確には縦150センチ、横40センチの看板です。

いわゆる、後援会連絡事務所看板、公職選挙法施行令110条5項の言うところの「後援団体等の政治活動に関する立札及び看板の類」です。

通報の政治活動、選挙において、「政治家の氏名」を表示する政治活動用の文書図画、「政治家の氏名が類推されるような事項」を表示する政治活動用の文書図画、「後援団体」を表示する政治活動用の文書図画が規制されます。

ひらたくいえば、政治家の名前の看板やポスターをやたらめったら立てたり貼ってはいけない、ということです。

ただし、認められるものもあります。

そのひとつが、後援会連絡事務所看板です。

政令指定都市以外の市議会議員、あるいは市議会議員の候補になろうとするひとの場合、候補者本人として6枚、後援会として6枚、合計12枚の看板を掲げることができます(本人用、後援会用といっても、看板の内容を変える必要がない場合が多いです。ほとんどの場合が申請用の用紙が違うというだけです)。選挙管理委員会に申請し、証紙を発行してもらうことになります。これで支援者の自宅の塀など、私有地にこの看板を設置できるようになります。

市によっては、看板を設置する場所の住所、地図が必要な場合がありますから、事前に確認しておいたほうがいいでしょう。

さて、新人候補者で問題になるのが、看板に掲げる肩書きです。現職なら、堂々と※※市議会議員と書けます。しかし、厳密にいえば、新人候補者は、選挙が始まるまでは、※※市議会議員候補者ではなく、「候補者にならんとする者」です。※※市議会議員候補にならんとする者と書くとどこか間が抜けてます。かといって、肩書きなしでは、なにをしようとしているひとかわかりません。

やはり、ここはパンフレットのときと同じように、市政を目指していることがわかるような文言を入れたほうがいいでしょう。

また、この看板の大きさですが、足の部分を規定サイズに含むかどうかの判断は各市で異なっています。発注する前に選挙管理委員会に確認したほうがいいでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

キャッチフレーズ

最初はグー! サイ○ーケン!

先の衆議院補欠選挙で、某候補陣営が連呼していたフレーズです。報道を見る限り、評判は芳しくなかったようです。

ふざけていたからでしょうか?

いえ、中身がなかったからだとわたしは考えます。

最初はグー、この言葉にはなんら、メッセージがありません。ただの名前の連呼と変わりありません。

やる気、本気、いわ○!

同じ党の新人議員が使っているフレーズですが、こちらはOKだと思うのです。なぜなら、「やる気」「本気」この言葉がその議員のひととなりを言い表しているからです。

キャッチフレーズを考えるときに思い出すのが、元総理、細川護煕氏の言葉です。

93年の春、東京都議選挙を目前にして、党のポスターを決める会議が党本部で開かれていました。「東京メトロポリス宣言(こんなコピーだったと記憶しています)」と都市の夜景が描かれた綺麗なポスターがいいのでは、という声が党幹部から相次ぎました。
そのとき、会議室の隅に並んでいた若い秘書の間からひそひそ声が漏れました。
細川氏(当時・参議院議員、日本新党代表)は、「若いひとたちはどうですか?」と水を向けました。
秘書たちは、会議に出席している議員の随行としてその場にいるだけですから、まさか、意見を求められるとは思っていませんでした。それでも、秘書の何人かが、綺麗なポスターの横のポスターを恐る恐る指さしました。

「政治家、総とっかえ」

のっぺらぼうの顔の横に大きくこう書かれたポスターです。それを見て、細川氏は満足そうにうなずきました。
「政治には感動が必要です。こちらでいきましょう」
細川氏の鶴のひと声で形勢は逆転しました。その後、「古い政治家、総とっかえ」と少し手を入れられたポスターが貼りだされました。

東京都議会選挙、それに続く衆議院総選挙で日本新党は大量に議席を獲得し躍進しました。ポスター一枚、キャッチフレーズひとつが戦局を決めたとはまでは言いませんが、ひとつのファクターだったと思います。

語呂とか、韻も大切ですが、キャッチフレーズを考えるときには、ぜひ、メッセージ、候補者の思いを込めてください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月14日 (日)

イメージ戦略

ぼくは、わたしは、本音で勝負、イメージなんて必要ない
そう思うかもしれません。

別に、虚像をつくれとまでは言いません。

しかし、イメージの統一は必要だと思います。

名刺、パンフレット、ポスター、選挙ハガキといった印刷物のイメージの統一です。

イメージの統一がはかれていれば、ポスターを見たとき、「あ、あのパンフレットのひとか」と思いだしやすくなるはずです。

色、文字のフォントなどを統一するだけで、かなりイメージの統一ができるはずです。

反対にいえば、どんな色をイメージ・カラーにするかは重要です。
赤系であれば、情熱的見えるでしょう。
青系であれば、清潔感がアップしますが、冷たいイメージを与えかねません。

また、残忍な殺人事件などがあると、その地域のひとは赤、血の色に対して拒否反応を示すこともあるそうです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

名前について

吉田けんいち よこみち一郎 中川ようこ

政治家はなぜかひらがなが好きです。

といっても、親が政治家にしようと、ひらがなの名前をつけたわけではありません。漢字の名前をあえてひらがなにしているのです。

なぜか?

やはり、覚えやすい。投票のときに書きやすい、ということでしょう。

投票所に行ったときのことを思いだしてください。

一応、投票用紙を記入する場所には、全候補者の名前が記されています。しかし、投票に来たひとすべてが、ここで漢字をいちいち確認するとは限りません。覚えいることを、さらっと書くひとも多いことでしょう。そういうとき、やはり、難しい漢字は間違いかねません。

現在、ほとんどの選挙管理委員会では、有権者の意図を極力、汲み取ろうとしています。ですから、多少の誤字で無効票になることは少ないようです。しかし、もし、せっかくの票が無効になってはもったいないこと、この上ありません。やはり、わかりやすい名前のほうがいいのではないでしょうか。

ただ、なんでも、ひらがなにすればいいというものでもないと思います。
デザイン、バランスも考えてる必要があります。そのあたり、印刷屋さんと相談してもいいと思います。

ちなみに、鈴木一郎さんと鈴木花子さんが立候補している選挙で、「鈴木」とだけ書かれた投票用紙はどういう扱いになるのでしょうか?

無効? 1/2にずつに分ける?

いいえ、按分されることになります。

開票が終わった時点で、一郎さんが二千票、花子さんが一千票、獲得していたら、「鈴木」としか書かれていない票は、2000:1000の割りあいでふたりに割り振られます。ですから、ときどき、選挙の開票結果に小数点以下の数字がでたりするのです。

しかし、「鈴木」と投票したひとは、本当は花子さんに投票しようと思っていたのかもしれません。そうなると、わずかですが、票を損したことになります。

そういうことがないよう、名前をきっちりと覚えてもらう、ということを日頃から意識しておくべきでしょう。

名前について、もうひとつ。

選挙においては通称が認められることがあります。

元・大阪府知事の横山ノック氏の本名は山田勇です。しかし、知事選挙のときは横山ノックで立候補しました。芸名の横山ノックほうが本名よりはるか通っています。

では、誰でも通称を使っていいのでしょうか?

いいえ。通称が社会的に認知されていると判断されないと、使うことはできません。芸名であったり、有名な著書のペンネームだったりする場合でないと、まず、認められません。

選挙用の名前を自由に使えるなら、木村拓哉と名乗ったり、あるいは、相手候補を落選させようと、相手候補の同姓同名のダミー候補を立てることになって、選挙が混乱してしまいますからね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

写真撮影

名刺、後援会パンフレット、のちのちのことを考えれば、ポスター、選挙ハガキ用に写真を撮影しなければなりません。

写真の映りひとつで、感じ方がまったく変わってきます。ここは、しっかりといいものを撮っておきたいところです。

一枚ではなく、いくつものポーズで撮っておいたほうがいいでしょう。

きっちりとした服装(男性ならスーツにネクタイ)で、正面、斜に構えたもの、ポーズをとったもの、バストアップ(胸から上)、全身。また、ポロシャツ、あるいはスポーツをやっているなら、そのユニホーム姿、これらをスタジオで撮影。

公園、あるいは候補者の政策のシンボルとなるような場所といった戸外での自然光のもとでの写真もパンフレットに使えそうです。

スタジオで撮影するときは、上着は色が違うものを何着か持ち込むことをお薦めします。色合いによって、顔の雰囲気が変わる場合もありますから。

問題は誰に撮影してもらうか、です。

知りあいにプロのカメラマンがいれば、少々、値段がはってもお願いしたいところです。

しかし、プロだからいい写真が撮れるとは限りません。プロですから、アングル、光量等は完璧でしょうが、いい写真の要素は、それだけではありません。

一番、重要なのは、本人の表情です。

副大臣も務めたことがある現職国会議員の秘書の方と話したことがあります。その議員の選挙用の写真は、初めての選挙から一貫して、そのひとが撮影しているそうです。

「ぼくが彼のことを一番よく知っている。彼の一番いい表情を出せるのはぼくだ」

プロに依頼するにしても、仲間に撮ってもらうにしても、リラックスして、いい表情が撮れる状況を作ることが大切なように思います。


それと、もう一点。

デジタルカメラが急速に普及してきました。

一昔前であれば、印刷に使うことを前提にした写真はポジ・フィルムで撮影するのが一般的でした。印刷工程では、これをデジタル化することになります。
印刷屋さん、カメラマン、それぞれと、デジタルがいいのか、ポジ写真がいいのか、撮影の前に相談しておいたほうがいいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

後援会についての私見

後援会パンフレットには、入会申し込みハガキがついてきます。
この【入会】申し込みというのは、どうなのかなあと思ったりします。

ハガキの裏面には、ハガキを返送するひと、すなわち入会するひとの住所、氏名、電話番号、最近ではメールアドレスを記入する欄と、そのひとが紹介するひとの住所、氏名、電話番号を記入する欄が3〜5こ並んでいます。

よくわかっているひとは、この【入会】にさほど意味がないことを理解しています。

しかし、一般のひとにとっては、政治家の後援会に【入会】するというのは、かなり敷居が高いものではないでしょうか? 【入会】すると【会費】が必要になるのでは?と心配するのではないでしょうか?

国会議員などの後援会は、組織化されていることが多いです。
選挙区が複数の市町村をまたぐ場合、各市町村に支部長を置き、さらに、小学校区ごと、あるいは、投票区ごとに世話人を置いていたりします。さらに、壮年部、青年部、婦人部、また、職域での支部があったりします。

しかし、市議会議員の場合、もっとファジーでいいのではないでしょうか?

【入会】申し込みハガキではなく、【応援します】ハガキでいいとわたしは思うのです。

ハガキが返送されてきたとき、受け取った側では、ハガキの内容を名簿に入力するわけですが、そのとき、【後援会入会】が【ハガキ返送】に変わるだけです。ハガキを返送してくれたひと=支援する気持ちをもってくれているひと、と理解するだけでいいのではないでしょうか?

ただし、こういったものは地域の特性を考慮する必要があると思います。各陣営がしっかりと自分の後援会で支援者を囲いこむような選挙をしている地域では、きっちりと入会の意志を確認したほうがいいでしょう。

【入会】申し込みハガキに記入することで、後援会の一員になったとそのひとが自覚するというメリットもあります。

そのあたり、【7人の仲間】と相談してもいいと思います。

おっと、【大切】なことを忘れるところでした。

【入会】申し込みハガキにせよ、【応援します】ハガキにせよ、返送されてきたら、必ず、すぐにお礼の電話なり、お礼状を送付するなりしてください。

先方は支援する気持ちをハガキの返送という形で表明してくれたのです。それに対して、なにもリアクショクンがないと、あまり気持ちがいいものではないです。連絡がなにもないと、「あ、あまりやる気がないのかな」と思ってしまうひともいます。「失礼なヤツ」だとほかのひとの支援にまわるひともいるかもしれません。

というか、このようなことは、社会一般常識だと思います。

きっちりと誠意のある態度をとっていけば、自然に支援の輪は広がっていくのではないでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年5月7日 - 2006年5月13日 | トップページ | 2006年5月21日 - 2006年5月27日 »