鳥取県は二十三日までに、重度脳性まひの赤ちゃんが生まれた場合に補償が受けられる「産科医療補償制度」を来年一月を目標に県立病院に導入する方針を固めた。分娩(ぶんべん)を扱わない医療機関が増加する中、安心して産科医療を受けられる環境を整備するのが狙い。
産科医療補償制度は日本医療機能評価機構が創設・運営しており、分娩を扱う病院、診療所、助産所などの医療機関が加入する。
医療機関は保険料三万円を機構に支払い、機構は重度脳性まひの赤ちゃんが生まれた場合に一時金の補償や原因分析を行う。家族の介護費負担を軽減するのと同時に、過失の有無の判断が難しく訴訟に発展することが多い産科医療の紛争防止や早期解決を図る。
補償対象は、出生体重が二〇〇〇グラム以上、在胎週数が三十三週以上の赤ちゃんに身体障害者等級の一・二級に相当する重度脳性まひが発生した場合。家族は一時金六百万円と毎年百二十万円(二十年間)を受け取れる。
医療機関が負担する保険料分が分娩費用に上乗せされる可能性があるため、国は妊産婦に支払われる出産一時金を三十五万円と定めている健康保険法を、保険料分を上乗せした額に改正する予定。