だが一部市民は「共有財産を民間に売り渡すのは許せない」と強く反発。差し止めを求めて住民監査請求し、却下されると住民訴訟を検討し始めた。地元医師会も「市との信頼関係が崩れた」と、予防接種や乳幼児健診などから手を引く構えを見せており、混乱は尾を引く。
大阪府南部の忠岡町では、人工透析やリハビリ治療が特色で、地域医療の拠点だった町立病院を昨年3月末、岸和田市民病院と統合再編する形で閉院した。赤字が膨らみ、「このままでは町本体が財政再建団体に転落する」と判断した。跡地と建物は民間に売却。今年9月から民間診療所として、医師3人体制で外来患者を受け入れ始める。(桂禎次郎、吉村治彦、龍沢正之)