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パリの地下鉄
パリは、東京に比べると人も少なくとても歩きやすい町だと思います。だいたい町の端から端まで電車で一時間以内で回れる。そこで便利なのが地下鉄。こちらでいうメトロ。
日本の地下鉄では通勤ラッシュですしずめ状態のサラリーマンがその象徴となっているけれど、こちらパリではなんともパリらしい風景が見られます。
決してくつろげるとはいえない車内の中で、アコーディオンを演奏しながら歌い始めるおじさん。またある日はギターを片手に声を張り上げて歌う人、そしてまたある日は、お手製のスピーカーで歌いだす人。 極めつけは、中年くらいのカップルで 絶対スポーツをするような体型ではないのだけれど、なぜかスポーツウェアを着ていきなり車内に飛び乗ってくるやいなや、ラップを踊り始めるのです。いつもは、電車では人と目を合わせないようにしているのですが、この時ばかりは何が起こっているのか目の前の光景が信じられないくらいおかしくて、ある意味見とれてしまいました。私の向かいに座っていた若い女性たちも大笑い。でもなぜラップだったのかいまだに不思議でしかたがない。
もちろん中には素晴らしい音楽を奏でてくれる人たちもいます。よく見かけるのは、Repubulic〈リパブリック〉という地下鉄の駅で、南米の衣装を着たバンドが彼らの国の伝統的な音楽を演奏しています。いつも大勢の観客が彼らを取り囲みちょっとした観光スポットのように写真を撮る人などもたまに見かけます。また違うプラットホームではバイオリニストがきれいな音色を奏でていたりします。おそらく地下鉄の中という独特な音響効果がさらにその音楽を魅力的にしているんだと思います。このようにパリの地下鉄ではいろんなエンターテインメントが楽しめます。また才能のある人はそこでスカウトされることもあるそうですよ。
パリの地下鉄マップ |
パリの地下鉄は、このように芸術的には進んでいるかもしれませんが、一方で、技術的にはまだまだという感じです。よく問題が発生し電車の中やホームで待たされることが頻繁にあります。アナウンスはフランス語なので何が起こっているのかよくわからないと、乗り換えるべきなのか待つべきなのか判断に困ってしまいます。本を読んでいてもいきなり電気が点滅したり消えてしまったり・・・。パリでまず時間通り目的地に着くことは不可能と思ったほうがいいですね。
それから、ドアは手動なので、レバーを上に回して下さい。たまに何もしないでドアの前で待っている人がいますが、開きませんよ。1番線など自動で開くものがありますが、ほとんどが手動です。
車内はと言うと、腰が痛くなるようなシート、だから立っていた方がと思うのですが、揺れが激しくかなりの運動です。夏は冷房がついていないので、かなりきついです。暑さと臭いとで。蚊も多いので気をつけてください(一年中)。物乞いも多いです。
ホーム内では、ホームレスがたまり、冬になるとその数も増えます。アルコールの臭いや、尿の臭い、あらゆる臭いが混ざってなんともいえない環境の駅もあります。落書きはもちろん、広告などが破られ、本当にここはパリなのかと思ってしまうことも。特にパリ北駅あたりは要注意です。違法な花売りや土産売りでよくつかまっている人を見かけました(19区あたりの駅で)。
さらにもうひとつ付け加えたいことはスリについて。どこの地下鉄でも気をつけたほうがいいのだけれど、ここパリではとくにスリの被害の話についてよく聞きます。
有名な話は、女の子たちのスリの集団がいて、いつも団体でターゲットを狙っているということです。まず、数人でターゲットを取り囲み、動けないようにした後、財布を盗むという具合です。特にターゲットの多くが日本人ということで、駅の構内放送はフランス語、英語の後に、日本語でされ、乗客に注意を促しています。地下鉄に乗るときは十分気をつけてください。
その他、メトロの乗り方や料金については「役立ち情報」をご覧下さい。
著者 : Aki - last reviewed : 2004