栃木県鹿沼市茂呂の東北自動車道高架下の市道で今月16日、集中豪雨のため冠水して乗用車が水没し、同市千渡(せんど)、派遣社員、高橋博子さん(45)が水死した事故で、市消防本部が目撃者から通報を受けたにもかかわらず、救助に出動していなかったことが23日、明らかになった。市消防本部は「(浸水など)通報が殺到し、混乱して正しい判断ができなかった」とミスを認めている。
同本部によると、事故当時は通信指令課の職員3人が通報を受ける任務に就いていた。午後6時22分以降、水没事故の通報が複数あったものの、同時間帯に浸水など他の通報が殺到。対応に追われる中で、職員が県警鹿沼署に出動要請済みの別の水没事故と混同し、警防課に出動指令を出さなかったという。
同署が高橋さんの車を発見したのは、最初の通報から約1時間後の同7時20分ごろだった。【中村藍】
毎日新聞 2008年8月24日 東京朝刊