辛“ＫＵＣＨＩ”御飯

二週間前、私の隣の人間が朝のジョギングをしていた。

実は私の隣人は、以前私が国道で走っている際、後ろから煽ってきたバカだ。
本人は私とは思っていないだろうが、私はその時から気に食わないと思っていた。

問題の亭主（Ａ）と妻、子供３人の５人家族である。
そしてジョギングが終わりかけ、我が家の前の路地を通りがかったところで
いきなりＡが倒れたのだ。頭を抑えて急に苦しみ出した。

その場所は、たまたま近くの通りから死角になっているところでなかなか人が
通らない。私は、面白いのでしばらく２塊から観察することにした。
すると、１５分も経過すると、隣人Ａはピクリとも動かなくなった。

「死んだか？？」と半ば興味本位でドキドキしたが、下手に触るといけないので
放っておいて居間に戻った。もちろん、救急車なんかは呼ばない。
私は居間に戻り、妻と話していると、１時間以上経過してから救急車が到着した。

結局、発見が遅くなったのが仇で、一昨日死んだ。
私は隣人だが、関わりなく、知らないふりをして葬式には当然行かなかった。

しかし、色々と近所の人間から情報を得た。
脳出血で、通報が早ければ助かったらしい。
このＡも私に対してちゃんと接していれば、死なずに済んだということだ。
私自身、罪悪感は全く感じていない。むしろ、死んでくれて良かったと言った
感じだ。

数日後、また近所の話では、子供３人が落ち込み、妻は何も手に付かず
家庭は真っ暗闇ということだ。今度、どんな感じなのか覗いてみたいものだ。

まぁ、私は所詮自分が一番大切。隣人がどうなろうが知ったことではない。
Ａも私に親切にしていれば助かったのに…。
本人もさぞかしあの世で後悔していることだろう。