MSN産経ニュースへようこそ。ここは北京オリンピック特集の記事本文ページです。

ニュース:総合最新ニュース | 総合一覧 | RSS feed

【奧運(オリンピック).com】(7)「特別管制下」の民主化と人権 (1/3ページ)

2008.7.6 12:46
このニュースのトピックス五輪とメディア
著名な民主活動家の胡佳氏(右端)と夫人(右から2人目)ら(野口東秀撮影)著名な民主活動家の胡佳氏(右端)と夫人(右から2人目)ら(野口東秀撮影)

 どう見ても子供たちの親にはみえない鋭い目つきの男が数人いた。そのうちのひとりがビデオで記者(野口)をしつこく撮影する。さらに、記者が乗った車を2台で尾行してきた。こうした目に何度も遭った。

 四川省大地震の被災地の綿竹市。校舎が倒壊し児童120人余りが死亡した富新第2小学校などで取材していたときのことだ。

 地震で倒壊または損壊した校舎は約6900棟にのぼり、全体の死者数のうち児童は1割近くに上るとみられている。そして、1000人弱が今も見つからないとされる。

 「校舎は手抜き工事だった。天災じゃなく人災だ」と、子供たちの無念をはらしたい遺族らは叫ぶ。綿竹市だけではなく、各被災地で校舎の倒壊は“敏感”な問題になっている。遺族らによる告訴や提訴の動きが出ると、武装警察隊員や公安当局が学校を取り巻き、「特別管制」として封鎖する。監視下に置かれている父母もいる。

 「電話も盗聴されている」。ある父母はこうささやいた。五輪を目前に控え、当局は、校舎の倒壊問題が「社会の不安定要因」として拡大する事態を防ぐ必要に迫られているからだ。

 香港の人権団体は、綿陽市公安局が同市に住む西南科学技術大学の元教師、曽宏玲さん(56)を、国家政権転覆扇動罪の疑いで6月9日に拘束したと伝えた。倒壊した学校の手抜き工事などを告発する文章を、インターネットに掲載したためだ。

このニュースの写真

著名な民主活動家の胡佳氏(右端)と夫人(右から2人目)ら(野口東秀撮影)
盲目の人権活動家、陳光誠氏の自宅で監視に当たる当局者(関係者提供)
中国の人権問題を批判する紙を自宅で掲げる葉国強さん。五輪の再開発で自宅を強制撤去されたのをきっかけに抗議行動を続け、断続的に軟禁状態におかれている活動家のひとりだ(野口東秀撮影)
PR
PR
イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。