Print this Post Article Lists Back

北京五輪:中国政府、デモを事実上禁止

 中国政府はデモを認めるつもりか、それとも禁止するつもりか-。北京五輪を控え、五輪組織委委員会が発表した「デモ専用区域」設置案が論議を呼んでいる。

 五輪組織委の劉紹武安全保障部長は23日、北京市内の日壇公園、世界公園、紫竹院公園の3カ所をデモ専用区域に指定し、五輪期間にデモを認めると発表した。外国の人権団体が中国の人権状況を問題視していることに対応した措置だ。

 しかし、これはデモの権利を保障していることを誇示する行政のパフォーマンスで現実性を欠くとの批判も少なくない。デモ専用区域は地元住民が多い地域ではあるが、世界から注目を集める五輪メーンスタジアムからは10キロ以上離れている。また、チベットの人権に関するデモなど中国政府の方針に反するデモを当局が認めるかどうかも疑問だ。劉部長は「デモは中国の現行法の枠組み内で行われなければならない」と述べた。中国では法律上、集会やデモを行う際には少なくとも5日前に規模や趣旨などを当局に届け出て許可を受ける必要がある。

 テロ防止と五輪の安全な開催を最優先課題に掲げる中国は、既にデモ専用区域以外の地域ではデモと見なされる行為を徹底的に封じ込める措置を取っている。五輪競技施設とその周辺ではプラカードなどを持って通行できず、ビラをまくこともできない。スローガンを叫ぶこともできず、同じ場所に長時間とどまることも禁じられている。

 天安門広場などでは厳重な警備が敷かれ、地方から上京して不平不満を訴える「上訪」という行為に訴える中国人も姿を消した。

北京=李明振(イ・ミョンジン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
このページのトップに戻る