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警官巡回ラサ沈黙 騒乱5カ月、五輪に住民冷ややか(2/2ページ)

2008年8月22日13時51分

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写真ラサ旧市街のジョカン寺前を巡回する武装警察部隊=21日、西村写す

写真ラサのポタラ宮前に掲げられた「民族が大団結し、心を一つにして五輪を迎えよう」というスローガン。その前で、チベット族の仏教徒らが黙々と五体投地の礼拝を続けていた=21日、西村写す

 五輪への視線は冷ややかだ。ある寺院の40代の僧侶は声を潜めた。「チベット族は五輪で漢族が負けると喜んでいる。自分たちの国で五輪が開催されているという意識はまったくない。当局批判につながる意見は家庭でも話すことがはばかられ、特別な許可証がなければよその街にも行けない。五輪がもたらしたのは恐怖と不自由だけだった」

 取材は自治区政府の許可を得て入った。昼間は外国メディアの窓口である外事弁公室の係官が記者に同行する。その案内で会ったチベット族は、共産党員の年金生活者イシロジュラさん(74)。「毎日テレビで五輪を観戦し、中国の選手を応援しています。中国人の100年の念願がかなった」と笑った。

 「チベットは歴史上最も幸福な時代を迎えている。共産党のおかげで発展した。ダライ・ラマの時代こそ奴隷社会だった」。横で係官がメモを取り続けていた。

 チベット騒乱は、チベット族と漢族の対立を際立たせただけでなく、チベット族同士の溝を深めたようにも見えた。

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