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西日本入管で間違った薬を収容者に飲ませるミス多発(1/2ページ)

2008年8月22日

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 法務省の西日本入国管理センター(大阪府茨木市、収容者数117人)で今年5月、入国警備官が収容中のスリランカ国籍の男性(30)に、頭のかゆみ止めに使うステロイド薬を便秘薬として飲ませていたことがわかった。男性は体調不良を訴え、外部の病院で胃洗浄などの治療を受けた。センターでは、ほかの収容者に対しても回数や時間を誤る薬の配布があり、こうしたミスは1〜7月で、この男性を含めて5人計8件に上る。

 センターが朝日新聞の取材に明らかにした。センターや、収容者への面会を続けている市民団体「TRY(トライ)」(大阪府東大阪市)によると、スリランカ国籍の男性は07年8月に収容された。男性は今年4〜5月、頭のかゆみと便秘を訴え、センターの医師からかゆみ止めのステロイド薬と便秘薬を処方された。いずれも液体状で、ステロイド薬は塗り薬、便秘薬は飲み薬だった。

 薬は入国警備官が保管。5月6日、1回の服用分を配布用の容器に移し替える際、便秘薬の容器にステロイド薬を誤って入れ、男性に手渡した。誤飲した男性は直後に胸の痛みなどを訴えて嘔吐(おうと)したため、茨木市の病院に運ばれ、胃洗浄を受けた。体調不良はその後、数日間続いたという。センターは男性に謝罪したが、「一時的な体調不良で、命にかかわるものではない」としている。

 この男性には前立腺肥大症の持病もあり、症状を抑える薬も1日2回、センターから配布されていた。センターは今年5月と7月の各1日、この薬を男性に誤って1日3回配り、男性は服用していた。

 ほかの収容者4人への誤配布について、センターは「健康に影響はない」としている。今年、すでに計8件の誤配布が判明しており、昨年の7件を上回った。

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