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【医療と刑事捜査(下)】患者・遺族を癒やす方策を (2/2ページ)

2008.8.22 21:45

 厚生労働省で検討が進んでいる医療事故調(医療安全調査委員会)では、刑事捜査に代わって医療の専門家が事故原因究明を行う。

 厚労省では平成17年から一部の事故について、医療事故調のモデルケースとして、医療の専門家でつくる第三者機関が、手術後に患者が亡くなるなど医療行為の中で起きた不審死の死因を調べている。これまでに74例を受け付けたが、告訴や提訴に発展した事例は皆無だ。

 翻って大野病院事件のケース。裁判が終わって、遺族の渡辺さんは「(加藤医師は)公判で自分に有利な発言ばかりした。病院は何があったのか十分に説明してほしい」と話した。裁判は被害者の感情を癒すものではなかった。

 いま、医療現場では医療事故調の在り方をめぐり、厚労省がまとめた試案をたたき台にした議論が交わされている。だが、「調査結果を警察へ通知するのか、否か」などをめぐりさまざまな意見が噴出し、結論には至っていない。

 そんな百家争鳴状態の医療界に、いらだつ被害者らを象徴する場面があった。8月4日、医療問題弁護団などが主催して東京都内で開かれたシンポジウムで、東京都立広尾病院の薬剤誤投与事件(11年)で妻を亡くした永井裕之さん(67)が訴えた。

 「医療界の皆さんは何を論議したいんですか。(医療事故調を)小さくてもいいから、早く立ちあげるべきだ。医療界の問題を、なぜ自らがしっかりやらないのか、私には分かりません」

      ◇

 この連載は赤堀正卓、神庭芳久が担当しました。

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