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玉三郎も出演 下町の極小劇場、23年で幕

2008年8月9日15時4分

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写真拡大染色工場のボイラー室を改装したベニサン・ピット=東京都江東区

 使われなくなった町工場を再生し、坂東玉三郎さん、大竹しのぶさんら有名俳優が舞台に立った下町のユニークな小劇場「ベニサン・ピット」(東京都江東区)が来年1月に閉鎖されることになった。老朽化のため、併設の七つの貸し稽古(けいこ)場とともに取り壊される予定だ。

 隅田川にかかる新大橋の近くにある染色会社「紅三」が、移転して空いた工場のボイラー室を改装し、85年に開場。外観は元工場のままで殺風景だが、俳優を間近に見られる約170席の極小空間が人気を呼んだ。89年には映画監督アンジェイ・ワイダさん演出の「ナスターシャ」に玉三郎さんが主演。93年からは演劇集団「TPT」が外国人演出家による作品を上演し、大竹さん、堤真一さん、麻実れいさんらが出演した。劇作家永井愛さんの「二兎(にと)社」、演出家蜷川幸雄さんの「ニナガワ・スタジオ」も本拠を置き、しばしば公演を行うなど、現代演劇の潮流をリードする場でもあった。

 紅三執行役員でもある瀬戸雅壽支配人は「昭和30年代の建物をだましだまし使ってきたが、地震や台風時の被害を思うと限界でした」と話す。83年開設の稽古場は広さと割安な料金、交通の利便性で人気があり、「演劇界の社交場」としても知られる。これらの運営で、紅三は92年度のメセナ賞を受けた。(藤谷浩二)

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