2007年12月19日

MUSIC CREATOR 4の使い心地について

今回、初音ミクを使うにあたって、ローランドの「MUSIC CREATOR 4」を、伴奏作成・ダウンミックス用のソフトとしてあわせて導入した。

購入の際に考慮したポイントは、

Vista用のPCに(わざわざ買い換えて)導入するので、Vistaに対応していること。
・初音ミクと連動させるために、VSTi・ReWireに対応していること。
・オーディオとMIDI、両方とも不自由なく利用可能なこと。
・そして、安いこと。

これらの条件をひととおり満たしていたので、MUSIC CREATOR 4にしたのだが、現時点ではなかなか満足している。

特に、オーディオファイルを適当に切り張りしてトラック貼り付け、エフェクターを通して音に深みを加えて、最後に全部をダウンミックスしてWAVEファイルに落とし込む、といった単純なオーディオファイルベースの曲作りには、いまのところ目立った不満点はない。
内蔵のエフェクターにしてもシンセサイザーにしても十分なクオリティだし、大昔(MS-DOS時代〜Windows3.1時代)、当時のDTMソフトを使って遊んでいた頃と比べるとまさに雲泥の差だと思った。
これだけ揃った一式で実勢価格7000円というのは安いと思う。

ちなみに、初音ミクとの連動はあまりやっていない。
ReWireで連動するのは確認したけど、どうも思ったような挙動にならないし、リアルタイムレンダリングの初音ミクの歌は絶望的にプアなので(Waveファイルに落とし込んで、エフェクターを通して、初めて「声の表情」云々を議論できるクオリティになる)、結局、MUSIC CREATOR 4と初音ミクを別々に起動して、ミクでWAVEファイルを吐き出して(これはとても速いのでそれほど問題なし)、それをMC4のオーディオトラックに貼り付けて使っている。
こっちのほうが、パッチワークで部分部分で作業できるし便利だったりする。
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2008年01月08日

VOCALOID2操作(調教)法(1)

 年末年始、文字通り寝食を忘れて(ちょっと大げさ)、VOCALOID2の調整を続けていたので、自分なりのパターンがある程度みえてきた。

 なので、そのあたりについて、初めてVOCALOID2にさわる人に参考になるように整理しておこうと思う。

 ちなみに、ここでは、ガリガリ調整するというよりはどちらかというと「いきなりちゃんと歌わせる(あんまり調整しなくていい)」ことを目標にしている。なので最初の設定がいろいろあるが、これを済ませておくと、実際に音符を入力し始めてからがラクだと思う。
 あと、ここで前提としているソフトは、初音ミク・鏡音リン・レン等のVOCALOID2、オーディオデータの扱えるDAWソフト(著者の環境ではMUSIC CREATOR 4)の2つ。

 より分かりやすくなるよう、操作画面なども順次アップしていく予定。

1.ソフトの選択

 初めてVOCALOID2を使うときは絶対に「初音ミク」から入るべき。音符と歌詞をベタ打ちした状態から、「そこそこまともに歌っている」と思える状態にするためにかかる労力は、

 ・初音ミク → ゼロ(デフォルト設定さえ調整すれば、いきなりそれなりの状態になる)
 ・鏡音リン → 数時間(音量のバラつきと声質のバラけが大きい。コンプレッサをかければ音量のバラつきが押さえられるので、声質の調整のみで1時間程度で一応の水準になる)
 ・鏡音レン → 数時間(音量のバラつきと発音の不明瞭さが大きい。コンプをかけるとせっかくの声質がかなり劣化するのでコンプも使いにくい。結果、一番時間がかかる)

 くらいの差がある。
 これらははっきり言って、声の表情とか表現とかいうレベル以前の問題なので、やっていて楽しい作業ではない。最初からここに時間がかかると、恐らくやる気が相当にそがれると思うし、そもそもどう調整すればまともになっていくかも分からず途方にくれると思うので、やはり最初は「初音ミク」から始めるべし。
 ただし初音ミクは力強い声を出すのは極めて難しい。バラードのサビくらいなら十分歌えるが、演歌やロックのサビはちょっと厳しい。なので、初音ミクに十分習熟して、曲調や声のバリエーションをどうしても増やしたいと思ってから、鏡音リン・レンに挑戦すべし。


続く。
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2008年01月09日

VOCALOID2操作(調教)法(2)

2.新しい歌手を作る

 新しい歌手を作るといっても、全然違う歌手が作れるわけじゃなくて、これは声質を調整するコントロールパラメータのデフォルト設定を変更する機能。パラメータをあらかじめいじっておいて、後で全体に対して修正をかけなくて済むようにラクをしようというのが狙い。
 この設定は本来は歌の表現力のためにあるのだが、ここでは「デフォルトで無難に歌わせる」ことを目的に新しい歌手を作ってみる。

 歌手の設定は、VOCALOID Editorではなく、Singer Editorで行なう。デスクトップにはショートカットはできないので、スタートメニューから起動する。

 (1) 「追加」ボタンを押して、「バーチャル歌手の追加」ウィンドウを開く。



 (2) オリジナルの歌手を選ぶ。(例えばミクを選ぶなら「Miku」)

 (3) 新しい歌手の名前を設定する。(例えばミクをベースにするなら「Miku2」など)

 (4) プログラムチェンジ(PC)を、既存の歌手とかぶらない番号にする。

 (5) OKボタンを押す。

 (6) いま作った歌手の「歌声パラメーター」を修正する。



 「無難に歌わせる」ための著者の推奨パラメータ変更は、以下のとおり。

 初音ミク:ジェンダーファクターを+16

 鏡音リン:ブライトネスを−9
      ジェンダーファクターを−19

 鏡音レン:ジェンダーファクターを−9

 初音ミクはデフォルトだとロボ声(萌え声?)で音痴っぽくなるので、落ち着いた声にするためにジェンダーファクターをかなり思い切って上げると無難な歌い方になる。
 鏡音リンは、どうしても舌足らずな歌い方になって、ジェンダーファクターを上げてもその印象が変わらずおかしな感じになりがちなので、あえてそれにふさわしい幼い声にするためにジェンダーファクターを下げ、キンキンした声が出やすいのでブライトネスを少し下げると比較的いい感じ。
 鏡音レンは、ボーイソプラノ系の声に持っていくためにジェンダーファクターを少し下げている。


続く。
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VOCALOID2操作(調教)法(3)

3.プリファレンスの設定

 VOCALOID2は、「歌い方」に影響を与えるパラメータの設定がいろんなところにあり、分かりにくい。
 ここからは、歌の調整とか音符の編集をラクにするためのいろいろな推奨設定について整理しておく。

 VOCALOID Editorを初めて起動したときには、まず「設定」→「プリファレンス」の設定画面を開く。

 まずは、「シーケンスの設定」のなかのビブラートの設定。



 基本的な推奨設定は、

 デフォルトビブラート長:50%(デフォルトのまま)
 オートビブラートを有効にする:チェックする(デフォルトのまま)
 オートビブラートが有効な最小の音符の長さ:1beat(デフォルトのまま)
 ビブラートの種類:Slight Type 3

 ここは大体デフォルトで問題ないが、ビブラートの種類だけは変更する。
 ここを「Normal」のままにしておくと、ちょっとビブラートが深すぎる気がする。なので、「Slight」に変更。Type1は逆に軽すぎる気がするので、ちょっと振幅の大きいType3を使う。まあこの辺は好みの問題で。
 ちなみに上記の設定だと、短い音符にビブラートがつきすぎ、長い音符ではビブラートが始まるのが遅すぎる傾向が出るが、それは後で個別に調整していく前提。
 ビブラートの編集作業としては、音符に既についているビブラートの長さを調整したり消したりするのは簡単だが、ビブラートのついていない音符にビブラートをつけるのはちょっとだけ面倒。なので、こういう設定が便利。
 「とにかく楽に、ビブラートもできれば全然いじらずに済ませたい」という場合の設定は、おそらくこっち。

 デフォルトビブラート長:66%
 オートビブラートを有効にする:チェックする
 オートビブラートが有効な最小の音符の長さ:2beat
 ビブラートの種類:Slight Type 3

 もう一つ、これは直接歌に影響を与えるわけではないが、「オーディオの設定」の「バッファーサイズ」。



 デフォルトの100msだと、相当速いマシンでもVOCALOID Editor上で再生したときに音がぶつ切れになる。速いマシンなら200ms程度、遅いマシンならそれ以上にすると、かなり改善される。
 あとは、出力ファイルの他ソフトとの互換性を向上させるため、サンプリング周波数を44100Hzにしておく(事情が分かっている人は48000HzのままでもOK)。

 最後に「その他の設定」も少しいじっておく。



 「デフォルト歌手」は、先ほど新しく作った歌手に変更しておく。そうすると、新規で編集を始めたときの歌手が、最初からそっちに変わっているので便利。
 「デフォルトプリメジャー」は最小の1で十分。たくさんついていると編集のとき面倒。
 「過去のイベントを追跡」は、遅いマシンでなければチェックする。そうしないと、再生したときの1つめの発音が、実際の発音と異なるものになってしまう。


続く。
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VOCALOID2操作(調教)法(4)

4.その他の設定の確認

 ここは、デフォルトの設定を確認するだけなので、買った状態でVOCALOID Editorを特にいじっていない場合は飛ばしても構わない。
 よく分からないままにいろいろいじってしまった場合は、念のため確認しておくといいかも。

 メニューから、

 「編集」→「自動ノーマライズモード」:チェックなし
 「表示」→「ツールバー」:全部チェックあり
 「表示」→「コントロールトラック」:チェックあり
 「表示」→「歌詞発音記号」:チェックあり
 「表示」→「音符の表情・ビブラート」:チェックあり
 「トラック」→「オーバーレイ」:チェックあり
 「設定」→「クオンタイズ」:1/32
 「設定」→「音符の長さ」:1/32(本当はこれは1/64のほうがいい)


続く。
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VOCALOID2操作(調教)法(5)

5.デフォルト歌唱スタイルの設定

 曲を打ち込む前に、「設定」→「デフォルト歌唱スタイル」の設定を行なう。
 初音ミクなら、ここを適切に設定するだけでほぼ問題なく歌ってくれる。



 おすすめの基本設定(著者もいつも使っている)は、

 ベンドの深さ:0
 ベンドの長さ:0
 上向ポルタメント:とりあえずチェックなし
 下向ポルタメント:チェックなし
 ディケイ:初音ミクなら50%、鏡音リン・レンなら70〜80%
 アクセント:50%(鏡音リン・レンはもう少し低い方がいいかも)

 歌わせる曲がバラードなら、上向ポルタメントは最初からオン(チェックあり)でも構わないと思う。
 ポイントは、ベンドの深さも長さもゼロをデフォルトにすること。そうすれば、「使えない」ともっぱらの評判のポルタメントの設定も、十分に実用になる(と著者は考えている)。

 ここの設定は、設定後に新たに置いた音符から有効になる。
 途中で設定を変更して、それを全部のノートに適用する場合は、左下の「現在のトラックに適用」のボタンを押す(その代わり、個別に設定した上記パラメータの設定は全部消える)。


続く。
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2008年01月10日

VOCALOID2操作(調教)法(6)

6.打ち込みを開始する前に

 いよいよ曲を打ち込む。
 その前に、VOCALOID Editorで設定すべきことがいくつかある。

 (1) 横方向のスクロールバーを目いっぱい左に持っていって、プリメジャー(黒くなっている小節)の左端を表示する。



 (2) カーソルを鉛筆ツールにする。(右クリックメニューから「鉛筆」を選ぶか、ツールバーの鉛筆マークをクリックする。)
 (3) 左上の「TEMPO」と書いてあるカラムに、120.00のようなテンポが表示されているはずなので、必要であればそれをクリックしてテンポを修正する。
 (4) 「TEMPO」の下に「BEAT」というカラムがあって、そこに4/4といった拍子が表示されているはずなので、必要であればそれをクリックして拍子を変更する。
 (5) メニューの「表示」→「グリッドライン」にチェックを入れ、グリッドラインを表示する。
   特に変更していなければ、32分音符ごとにグリッドが表示されるはず。(この設定はメニューの「設定」→「クオンタイズ」で変更できる)ここから先の説明はそれを前提とする。


続く。
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VOCALOID2操作(調教)法(7)

7.音符をおく

 ここでは、VOCALOID Editor上に直接音符を置いていく方法で説明する。
 慣れているMIDI編集ソフトがある場合は、そちらで入力して読み込んでもOK。ただしその場合は、ベロシティは64とかで固定しておくのが吉。VOCALOID2ではベロシティの意味が通常とは全然違うので、読み込むと変な歌い方になる。

 後でブレス(息継ぎ)を入れる場合は、音符を1小節目の頭から入れないで、そういう曲の場合は2小節目から打ち込むようにする。
 音符の長さは、「本来の音の長さ−32分音符1つ分」、つまり次の音符との間にグリッド1つ分ずつすき間を空ける長さが基本となる。ただし、歌詞のフレーズの区切りで、長めに伸ばす音がある場合はもっと長めに空ける。ポイントは、きつきつに詰めて音符を置かないこと。(これはミクではあまり問題にならないが、リン・レンでは非常に重要なコツになる。)



 フレーズのひとまとまりを入力したら、入力したフレーズの頭の音符に戻って、その音符をクリックして選択し、右クリックで「歌詞の流し込み」を選択して、歌詞をひらがなで入力する。それが終わったら、ためしに再生してみる。
 これを繰り返して、まずは1番の歌詞を入力する。(この時点では、まだ細かいパラメータをいじってはいけない。なぜなら、いじっても無駄になるから。また、2番以降の入力もしない。これも無駄になるから)

 入力が終わったら、全体を通して再生してみる。


続く。
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2008年01月11日

VOCALOID2操作(調教)法(8)

8.デフォルトポルタメントの設定

 1番のメロディ歌詞の入力が終わったら、「設定」→「デフォルト歌唱スタイル」の画面を開き、次の3パターンを順に選んで、「現在のトラックに適用」を押し、再生してみて、一番しっくりくる(破綻が少ない)パターンを見つける。

 上向ポルタメント:なし、下向ポルタメント:なし
 上向ポルタメント:あり、下向ポルタメント:なし
 上向ポルタメント:あり、下向ポルタメント:あり

 (上がなしで下があり、というのはあまり意味がないと思う。試してみてもいいけど)


↑最初のフレーズから順に、「なし−なし」「あり−なし」「あり−あり」のパターン。

 細かい調整はあとでできるので、とりあえず「全体として最も自然で破綻がない」ものを選べばOK。

 この段階で、アクセントとかディケイも同じようにいろいろな全体パターンを試してみるのも悪くない(が、絶対必要というわけではない)。


続く。
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2008年01月13日

VOCALOID2操作(調教)法(9)

9.ブレスの設定

 ブレス(息継ぎ)を入れたい場合は、次のようにする。(入れたくない場合は、このステップは飛ばしてOK)

 メニューから、「トラック」→「トラックの追加」で、空白のトラックを1つ作る。
 新しいトラックの、プリメジャーの左下端にデフォルト歌手が設定されているので、必要なら歌手を変更する。

 ブレスを入れたい場所に音符を書く。(歌の入っているトラックの音符の位置が細いボックスで表示されているので、それを参考にする。)音の高さはどうでもいいが、続いて発声する音と同じ高さに置くと分かりやすい。

 そのままだと「あー」と言ってしまうので、音符をダブルクリックして歌詞の入力モードにして、「ALT」+「↓」を押して音素の入力モードにする。

 「br1」「br2」「br3」「br4」のいずれかを入力する。(「br」と数字の間にスペースは入れない。)

ブレスの設定

 再生してみる。息継ぎが聞こえたらそれで正解。br1〜br4は違う音になっているので気に入ったものを選ぶ。

 2つめ以降のブレスは、今入力したブレスをコピーして、ペーストして作っていた方が簡単。

 ちなみに、ブレスを歌と同じトラックに入れると、ブレス自体を発音しなかったり、次の音を発音しなくなったりと予測不能な挙動を示すので、必ず別トラックで入力する。


続く。
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2008年01月15日

VOCALOID2操作(調教)法(10)

10.DAWに取り込む

 DAWなしでVOCALOIDを操るのは、ちょっと無謀だと思う。
 というわけで、ここからはDAWを使っての編集に入る。
 おすすめは、オーディオファイルの編集に厳しい制限がなくて、VSTプラグインが導入できるソフト。安価なものでこの基準を満たしているのは、著者も使っている「MUSIC CREATOR 4」。市価およそ7000円。フリーソフト系でもそれなりに使えると思う。

 ここで何をしたいかというと、エフェクトをかけた状態での歌のチェック。エフェクトをかけることによってそれほど気にならなくなるアラもあるし、逆に目立つアラもある。なので、著者のおすすめは「エフェクト後」を聞きながらのチェックを原則とすること。

 まずは、VOCALOID Editorでメニューの「ファイル」→「書き出し」→「WAVE」を選択し、

 WAVEファイル出力:マスタートラックをモノラルで

 の設定で出力する。

 DAWを起動して、VOCALOID Editorから吐き出されたWAVEファイルを適当なトラックにオーディオデータとして取り込む。
 そのトラックに、コンプレッサーとリバーブ、2種類のエフェクトをこの順で設定する。

 コンプレッサーは、ミクの場合にはボーカル用の一般的なプリセットで十分。リン・レンの場合は、非常に高い圧縮率をマニュアルで設定すべきなのだが、分からないなら下のフリーVSTの「fish fillets」をインストールして、「BLOCKFISH」のプリセットの「close-up vocals」を選択、適当に調整して音が割れないようにすれば簡単。(outputで出力レベルが変わり、compressionで圧縮率が変わる)

http://www.digitalfishphones.com/main.php?item=2&subItem=5



 どうしても分からないなら、コンプレッサーはなくても別に構わない。

 リバーブは、一般的な軽めのホール系かルーム系のリバーブのプリセットを選べばOK。あまり深いのをかけるとカラオケスナックみたいになってしまう。

 この状態で、音を鳴らしてみる。

 この段階で歌を聴いてみて、素直に聞ける感じになっていれば、ここから先はそんなに大変にはならないはず。逆に、この段階で歌が(いろんな意味で)ハチャメチャになっていたとするなら、この後の調整は相当大変(そして恐らく、残念ながら、それだけの努力をしても十分に納得できるところまでは追い込めないかも)だと覚悟しておいたほうがよい。


続く。
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VOCALOID2操作(調教)法(11)

11.DAWを活用した修正(ステップ1)

 10.で取り込んでエフェクトをかけた歌を聴きながら、別に立ち上げているVOCALOID Editorで音符やパラメータを編集していく。
 著者の方法では、DAWとVOCALOID Editorは連動させない。ある程度いじったら改めてWAVEファイルを書き出して、DAWのトラックに上書きして聞きなおす、というのを繰り返すやり方でいく。

 ここでは、音の長さとビブラートの微調整、ポルタメントの調整、全体的な音量の上げ下げ(だけ)を行なう。

 音の長さは、聞いてみて長すぎる、あるいは短すぎると思う場所、音がつながって欲しくないのにつながっているところ、つながって欲しいのに切れているところを適当に編集して変更する。

 ビブラートは、かかってほしいところとかかってほしくないところ、かかり始めの位置などを調整する。音符の下にある線の、ギザギザが始まる部分をつまんで左右に動かすとかかり始めの位置を修正できる。ギザギザがない場合は、左端以外をダブルクリックするとビブラートのプロパティ画面が出るので、そこでビブラートの種類を設定するところから始める。

 ポルタメントは、かかってほしくないところにかかっている場合は、音符の下の線の左端をダブルクリック(または音符を右クリックで「音符のプロパティ」を開き、EXPボタンを押す)して、「上向・下向ポルタメント」のチェックを外す。逆に、かかってほしいのにかかっていない場所では、音節を分けて違う高さに置いたりする。
 例えば、「ら」という音を強制的に「ポルタメント的」にしたい場合は、「ら・あ」の2音節に分けて、「ら」のほうを直前の音符と同じ高さに、「あ」のほうを本来の高さに置いてぴったりとくっつけて配置すると、それっぽくなる。(PITの編集で行なうのが本来の姿だが、VOCALOIDは自動的に声を滑らかにつないでくれるので、大抵はこのやり方で十分いける)
 なお、ポルタメントの設定がないにも関わらずポルタメント的になってしまうケースもある。このようなケースの場合、音の間隔を離すのが最も簡単(ただし、スタッカート的な歌い方になってしまうが)

 音量の上げ下げについては、DYNのパラメータをいじるのだが、ここでは1音1音の音量のばらつきはいじらない。そうではなく、全体的な抑揚を調整するとか、フレーズの最後の伸ばした音がブツ切れするときに、DYNでスムーズに音量を下げるとか、そういう全体的な調整だけを行なう。

 それ以外でも、慣れてくればジェンダーファクターや全体的なブライトネスもいじってよい。あくまでもこの段階は「全体」の調整にとどめる。

 「全体」の修正が終わったら、このステップは終了。


続く。
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VOCALOID2操作(調教)法(12)

12.全歌詞の打ち込み

 11.までで全体的な調整は終わったので、ここでようやく2番以降の入力を行なう。

 2番以降は基本的に1番のパートのコピーペーストで作り、歌詞を入れ替えればOKのはず。(歌いまわしが微妙に違う場所がよくあるので、その辺りは気をつける。)
 ちなみにコピーするときは、Ctrlキーを押しながらピアノロール画面をマウスでドラッグすれば、コントロールパラメータまで一緒にコピーできる。(このやり方でコピーしないと、もう一度パラメータの設定をするハメになる)
 別トラックブレスを入力した場合は、そちらも忘れずにコピー&ペーストしておく。

 打ち込みが終わったら、また先ほどと同じようにWAVEを出力させ、DAWに貼り付けて、この後の変種作業に備える。


続く。
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2008年01月16日

VOCALOID2操作(調教)法(13)

13.DAWを活用した修正(ステップ2)

 この段階では伴奏は既に用意されていて、DAWに存在していて、VOCALOIDの歌とも同期がとれていると仮定して話を進める。

 12.で出力したWAVEファイルを伴奏と合わせて再生し、全体をとおして聞いてみる。

 万一、全体が問題なくできあがっていて修正の必要がなければ、これで完成・・・だが、まずそうはなっていないと思うので、次のような修正をかけていく。ここからは、まさに1音1音との闘いになる。ここが最も時間のかかるパートである。

(1) 発音(滑舌)の不明瞭さ

 リン・レンでは、カキクケコ・サシスセソ・タチツテト・ハヒフヘホ・ラリルレロ・ダヂヅデドあたりを中心に、発音(滑舌)が不明瞭、もしくは正しく聞き取れない音がたくさん発生する。ミクはそこまでひどくないが、やはりたまに発音(滑舌)がおかしくなる。
 これの対策としては、次のような順で試していくとよい。(この中のいくつかは、替え歌「ラリルレロが歌えない」で自虐的に取り上げているが、実際にはうまく効くことももちろん多い)

@ 二重母音
 たとえば「ら」を「ら・あ」という2文字にする。最初の音(この例では「ら」)は、32分音符くらいの長さにするのが無難だが、いろいろ試してみる必要がある。後の母音(この例では「あ」)のアクセントは10くらいまで下げておかないと、本当に「らあ」と聞こえてしまうことがある。

A アクセントを強化
 音符の下の線の左端をダブルクリック(または音符を右クリックで「音符のプロパティ」を開き、EXPボタンを押す)して、「アクセント」の値を+30%くらい増やしてみる。

B ベロシティを下げる
 コントロールパラメータの「VEL」を、ほとんど0になるくらい下げてみる。(一般的にはVELは上げるより下げる方が滑舌の改善には効果的)

C ベロシティを上げる
 コントロールパラメータの「VEL」を、100くらいまで上げてみる。

D 前の音符を離す
 直前の音符を、2/32以上、前後の発音が分かれるまで離す。割と効果的だが、その部分がスタッカートになってしまうという欠点がある。

E 他のコントロールパラメータをいじる
 OPEを下げると、口を閉じた感じになり、母音の「あ」音が「う」とか「お」に近くなる。
 BREを上げると「息っぽさ」が上がり、ハ行の頭に高いBREを設定すると、発音が(不自然になるけど)明瞭になることがある。
 BRIを上げると、声質自体が代わってしまうが、子音が聞き取りやすくなることがある。
 CLEを上げると、子音の発音が強調されて発音が明瞭になることがある。

F 違う発音にする
 例えば「ら」を「る・あ」とか「りゃ」とか「り・あ」とかにしてみる。もっと過激な方法では、フレーズの一まとまりをいわゆる「空耳発音」に変えてしまう。

G 別トラックに置く
 音がつながって子音が出ないケースでは、別トラックにその音だけを移し、ぽつんと置くと発音はまともになることがある(このときも、「CTRLを押しながらドラッグ」で音符をコピーして、パラメータ設定もコピーするようにする)。ただし、音のつながりは完全に壊れる。

H ミクにサポートさせる
 最後の手段。滑舌の悪い音だけを、別トラックで同じ音・同じ高さでミクに発音させる。子音だけ発音してすぐに音量が下がるよう、音の長さやDYNの調整をする。ミクの声が聞こえてしまわないように注意する。(ミクはリン・レンよりも発声のタイミングが遅めなので、その点も注意。DAW上でタイミングをずらすのもアリ)


続く。
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2008年01月18日

VOCALOID2操作(調教)法(14)

14.DAWを活用した修正(ステップ2)(続き)

 DAW上で歌を聞きながら、1音1音調整するステップの続き。
 なお、VOCALOID Editorで修正したら、こまめにWAVEファイルを書き出してDAW上のオーディオファイルを更新すること。発音を調整したら声の明るさも変わり、声の明るさを変えたら音量も変わったりするので、その変化を確認しつつ順に追い込んでいかなければならない。

(2) 声の明るさのばらつき

 特にリンで極端に出る。
 歌を通して聴いてみると、こもってモコモコした聞こえ方をする部分と、金属的でキンキンした聞こえ方をする部分があるはず。
 これの修正は、基本的にBRIパラメータによって行なう。モコモコした部分はBRIを上げ、キンキンした部分はBRIを下げる。上げるほうは大胆に、下げるほうは控えめに修正すると大体イメージに近い量の修正になると思う。これを、1音単位で修正していく。

 あまりにバラつきがひどい場合は、ジェンダーファクターを下げるとキンキンのほうに、上げるとモコモコのほうに多少まとまる傾向があるので、曲全体のジェンダーファクターを変えてしまうのも手。もちろん、個別の音符のジェンダーファクターを変えるのも効果がある。

(3) 音量のばらつき

 発音の不明瞭さと声の明るさの問題がだいたい納得できる水準になったら、最後に音量のばらつきの修正をする。このステップは、きついコンプレッサをかけている場合はかなりラクができる。ただ、やはりコンプレッサでごまかすよりは1音1音修正していく方が、いい発声ができる。

 DAW上で、WAVEファイルの波形(振幅の大きさ)を見ながら、実際の歌も聞いて、近接する他の音と比べて、音が小さすぎるところ、大きすぎるところについて、DYNパラメータを上げ下げして調整する。音が小さすぎて、DYNを思いっきり上げなければいけないところでは、出音がキンキンする傾向があるので、そのときはBRIなども合わせて修正する必要がある場合もある。(逆に、音を小さくするとモコモコした印象になるときもある)


続く。
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