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若年層への精神障害防止策を

8月22日18時45分配信 医療介護CBニュース


 厚生労働省は8月21日、「精神病床」に入院している患者の退院促進策や地域の支援体制などについて議論する「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」(座長=樋口輝彦国立精神・神経センター総長)の第8回会合を開催し、参考人4人からヒアリングを行った。若年層への精神障害発生防止策や、地域における精神保健医療福祉の事例が報告された。

 佐藤光源・東北福祉大大学院教授は「今後の精神保健医療福祉のあり方について」をテーマに発表した。在宅の精神障害者が2005年に276万人となり、1999年の1.6倍と「明らかに増加した」と報告。再発しやすいといった精神障害の特性を踏まえた精神保健医療福祉が基本になると述べ、精神障害の発生を防ぐため、▽発病の危険にある状態(ARMS)などへの早期介入▽臨界期医療の改善と難治例の救済▽再発・再入院の実態把握と対策-に取り組むべきとした。また、中学や高校での精神疾患についての正しい知識の普及・啓発を提案した。

 「今後の精神保健医療福祉における精神保健普及啓発および早期介入の意義」をテーマに発表した東京都精神医学総合研究所の西田淳志研究員は、少子・高齢化の進む先進諸国では、若者を対象とした精神障害の予防や精神保健の啓発を積極的に行い、若年層の労働力を低下させない政策を進めていると解説。オーストラリアの精神保健教育のケースや、津市や長崎県大村市で行われている教育機関と連携した早期支援制度も紹介した。

 東京都立松沢病院の岡崎祐士院長は「英国の精神保健改革のエッセンス わが国における精神保健医療改革への示唆」と題して、英国が行った精神保健分野の医療改革を取り上げ、▽疫学調査による精神保健問題の質と量を把握▽精神保健・医療サービス提供の原則を明確化▽家族(carer)支援を明確化▽精神保健・医療において自殺予防の重要性を明確化-していることなどが効果を生んでいるとし、日本でも参考になると説明した。

 国立精神・神経センター精神保健研究所の伊藤順一郎社会復帰相談部部長は、「ACT(包括型地域生活支援プログラム)のわが国における有用性について」と題して発表。地域を中心とした精神保健医療の展開には、通所型のサービスに通えず「引きこもり状態」にある精神障害者への支援が不可欠と強調した。実施には、▽ACT利用者の生活圏へのアウトリーチ(訪問)▽ケアマネジメント▽看護師、作業療法士、精神保健福祉士など多職種のチームないし強い連携関係-が求められるとした。また、千葉県市川市の訪問看護ステーションの取り組み例など、全国のACTモデル事業を紹介した。


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最終更新:8月22日18時45分

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