【第22回】 2008年08月22日
会員3000万人で今や若者の必携品!
CCCのTカードに群がる異業種企業
ハンバーガー、カラオケ…
続々と名乗りを上げる提携企業
提携先企業は、Tカード利用者に発行したポイント数に応じて、CCC傘下のTカード&マーケティングに対してシステム使用料を支払う。これがCCCグループのカード事業収益となる。つまり、CCCグループにとっては、提携先とカード会員が増えれば増えるほどカード事業収益が伸びる仕組みなのである。
では、システム手数料を支払ってまで、なぜ各社はTカードと提携するのか。一つには新規客の呼び込みである。Tカード所有者に新たな提携先として企業名や店舗名が告知されれば、3000万人に対する販促宣伝効果が得られる。
また、提携先企業に対しては顧客分析情報が提供される。自社の店舗でTカードを利用しているのは、どんな客層でどこに住んでいるのか、利用頻度はどうなっているのかといった情報をTカード&マーケティングが定期的に報告してくれる。新規出店に際して、出店候補地周辺のTカード会員の数や年齢分布などを知ることもできる。
こうした情報は原則無料なので、自社で顧客管理・分析のために新たなシステム開発投資をするよりは、Tカードの提携先となったほうが費用対効果は高いという判断が働く。
今年秋以降もハンバーガーチェーンのロッテリアやカラオケのシダックス・コミュニティー、カー用品のオートバックスセブンなどが次々と提携先に加わる。2008年3月期でCCCのカード事業の営業利益は15億円とまだ全体の10%強だが、今後はこの比率が飛躍的に高まる可能性が高い。
ソフトレンタルに次ぐ事業の柱が育っていないことから、好決算でも株価が伸びない状況が続いていたCCCだが、カード事業の利益貢献を見越してか、第1四半期決算発表後、株価は上昇に転じている。
(『週刊ダイヤモンド』委嘱記者 田原 寛)
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