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ウォン安進行、1100ウォンまで下落の声も

 ウォンの対ドル相場は21日、心理的抵抗線と思われた1ドル=1050ウォンをあっさりと超え、同1054.90ウォンで取引を終えた。20日に1050ウォンをはさんで為替当局とドル買い勢力との間で攻防が繰り広げられたが、21日は一気に5.60ウォンもウォン安が進行した。為替当局が市場介入を見送ったためだ。専門家はウォン相場が当面下落を続ける可能性が高いとみている。原油相場が反落し、物価上昇がやや和らいだため、政府がウォン安をある程度容認しているとの見方も出ている。

◆根強いドル需要

 サムスン証券のチョン・ミヨン氏は「最近ドル買いの勢いがあまりに強く、取引中に1-2ウォン一気に下落した後、急に反発したりする。輸出企業はウォン相場がさらに下落するとみており、手持ちのドルを売らずにいる。輸入業者は政府による市場介入を待っている」と指摘した。

 需給面で見てもドル買い優勢は避けられない。チョン氏は「原油価格が1バレル=80ドルを超えた昨年10月から、韓国の輸入伸び率が輸出伸び率を上回っている。原油価格が100ドルを超えればドル需要が増えるしかない」と分析した。さらに世界的な景気低迷で8月の輸出実績も大きな改善は見込めず、9月以降冬にかけて原油輸入が増えることも負担になりそうだ。

 農協先物のイ・ジンウ氏は「1060ウォンを割り込めば、1100ウォンまで容易に下落するかもしれない。市場にはドルの売り物がない」と指摘した。

◆為替相場安定は10月以降か

 大信経済研究所のキム・ユンギ経済調査室長は「短期的にはウォンが下落するが、1060ウォンで為替当局が介入すれば市場は安定を取り戻す。長期的にはウォン相場の下落要因がなくなった」とみている。

 原油価格と原材料価格が下落し、貿易赤字が縮小する可能性が高い上、最近のドル高は米国経済の回復によるものではなく、欧州と日本の景気低迷懸念によるもので、長期間持続するとは考えにくいことが理由だ。サムスン経済研究所マクロ経済室のクォン・スンウ室長は「長い目で見れば10-12月期か来年には、為替相場が現在よりもウォン高に振れるのではないか」と話した。

趙義俊(チョ・ウィジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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