「プチ修整」学生に人気 顔写真見栄え良く

 就職活動をしている学生の一部で、履歴書用の顔写真を若干加工する「プチ修整」がはやっている。仙台市の写真スタジオでも、目の周りなどの修整を希望する学生が少なくないという。企業側の印象を少しでも良くしたいという涙ぐましい努力だが、採用担当者の多くは「人物本位で決める」と冷静にみている。

 「目の下のくまを取ってほしい」。宮城野区の写真スタジオ「メディアハウスレモン」で7月、履歴書に張る写真を撮った就職活動中の仙台市の女子大生は、顔の画像を見て持ち掛けた。スタジオは要望に応じ、パソコンで画像を調整してからプリントした。

 同スタジオは2007年、就職活動用に5000人以上の写真を撮影し、うち15%がプチ修整を希望した。顔のニキビやしみの除去を望むケースが多く、中には「老け顔に見えるのでほおに残る線を消してほしい」という要望もあった。

 学生は「面接試験を受けたとき、実物の顔と見比べられても不自然でないよう、さりげなく修整してほしい」と注文するという。スタジオは修整は最小限にとどめ、人相が変わるような大幅な加工は断っている。

 プチ修整の注文が増えたのは、04年ごろから。学生たちの間に口コミで広がり、首都圏のスタジオでも数年前から目立っている。

 メディアハウスレモンを経営する安達芳治社長(58)は「履歴書に目を通されることが採用試験の第一関門のようなもの。学生も必死なのではないか」と話す。

 企業の採用担当者の反応はまちまちだ。若林区のホテルの担当者は「接客業で容姿は大事なポイント。努力は買いたい」という。

 三越仙台店の担当者は「書類審査で多少は効果があるかもしれないが、本人に会ったときにギャップがあれば逆効果。見栄えを過度に気にするより、人間を磨いてほしい」と助言している。
2008年08月22日金曜日

宮城

社会



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