保岡法相は22日、無期懲役の受刑者の仮釈放の基準を明確化し、情報公開を進めるための勉強会を法務省内に設ける方針を明らかにした。仮釈放のない「終身刑」の創設法案を臨時国会に提出しようとする超党派の動きに対し、法相は終身刑導入反対の立場から無期懲役の運用見直しを進める狙いだ。
保岡法相はこの日の閣議後の記者会見で、「皆さんには死刑と無期懲役の溝があるとの認識が強いが、仮釈放制度の見直しというか、組織や運営の方法を透明化、明確化したら、量刑のバランスを保てるのではないかと思う」と発言。月内にも省内に課長級の実務的な勉強会を設け、11月までに検討結果をまとめる考えを示した。「将来的には、制度改正できるかどうかも含めて検討したい」という。
仮釈放は、刑務所が受刑者の受刑態度などを考慮して各地方更生保護委員会に申請し、同委員会が可否を決定する。悔悟の情や更生の意欲などの判断基準は法務省令で定められているが、保岡法相は「判断の基準がバラバラになるのは良くない」と、国民にわかりやすい基準を示す必要があるとの考えを示した。