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はしか予防接種 13、18歳まだ半数 流行の可能性危惧 8月22日午前10時00分

 全国の13歳と18歳全員を対象に、本年度から麻疹(ましん)(はしか)の追加予防接種始まったが、福井県では13歳で56・4%、18歳で49・0%の接種率(6月末)にとどまっている。専門家は「接種率が低いと、受けていない人から発症し流行する可能性もある」と指摘。県や各市町はあらためて接種を呼び掛ける通知を送り、夏休み期間中の接種率向上を図る。

 はしかの予防接種は生後12―90カ月間に1回接種だったが、追加接種が発症予防に有効だとして、2006年度から12―24カ月児と5歳以上7歳未満での2回接種となった。

 また昨年、全国で高校生や大学生にはしかが流行したことを受け、厚生労働省は本年度から5年間限定で13歳と18歳を対象にした。この期間に自治体指定の医療機関で接種すれば、数千円から1万円程度かかる費用は無料。対象年齢を過ぎると、国の補助が受けられず有料となる。

 県健康増進課によると、県内の本年度対象者は13歳が8294人、18歳が8704人。対象者には各市町が直接、問診票など接種に必要な書類を郵送し、学校を通じても呼び掛けている。しかし、開始から3カ月間で接種したのは13歳で4679人、18歳で4267人と、いずれも半数前後にとどまっている。

 県小児科医会予防接種委員会委員長の橋本剛太郎医師(越前市)は「県小児科医会の調べでは、2歳児の接種率は95%程度あるが、ここまで高くなったのはここ10年程度。今回の対象者は1回も受けていない可能性もあり、発症のリスクが高い」と警鐘を鳴らす。

 橋本医師によると、はしかは39―40度の高熱と激しいせきなど、風邪とよく似た症状が表れる。3日程度で全身に特有の発疹(ほっしん)ができ、症状は1週間程度続く。肺炎や脳炎を併発、死に至ることもあるという。

 春先から初夏に流行する傾向があり、今は発症者が少ない時期のため、橋本医師は「はやっていないからと、接種を先延ばしにして機会を逃すことも考えられる。夏休みを利用して接種してほしい」と呼び掛けている。

 本県では8月17日現在、はしかの感染者は17人。3月には県立大で学生の発症が確認され約2週間、福井キャンパスの学生の登校を禁止する措置が取られた。



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