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スローライフ スローセックス:ワンポイント・アドバイス(女性編-その1)

 こんな乱暴な回答の仕方を本当はしたくないだけでなく、してはいけないのです。でも、次から次へと寄せられるメール相談にお答えするにはこれしか方法がありません。「あなたの悩みは万人の悩み」ということでご容赦ください。

■Q1 子宮筋腫(8センチ)を持っているのですが、4月末から少量に出血があり、3日前から夕方になると出血がひどく朝になると少量になるのです。15年来のかかりつけのお医者さんが遠くに転勤されたので、他にはいきたくないのですが、病院にいったほうがよろしいでしょうか?(JWママ 52歳 主婦)

 A1.何をのん気なことをおっしゃっているのですか、JWママさん。8センチの子宮筋腫というのは相当大きいだけでなく、繰り返す出血によって、貧血が深刻な事態になっていることも予想されます。手術をどうしてもしたくないという場合には、子宮内避妊システム(IUS『ミレーナ』)というのも使われ始めました。とにかく、産婦人科に急行!

■Q2 05年にがん検診センターでの子宮がん集団検診で31型のヒトパピローマウイルス(HPV)が見つかりました。半年に1度の検査を今でも受けていますが、発覚当初から変らずクラスは3aのままです。最近、HPVが見つかってから初めて人を好きになりました。もしセックスするなら感染の可能性が出てくるので普通よりもより慎重にならなければいけないことを話しましたが、理解した上で交際することになりました。そこで、彼とセックスをしてもよいのか、どのような方法がよいのか、意見を聞きたく、婦人科を訪れました。現在の状態だと、セックスをしても構わないが、質問の例がないので感染については回答できないとのことでした。私個人で調べるには限界があり、途方にくれています。(カナ 32歳)

 A2.よくご存じですね、話題のヒトパピローマウイルス(HPV)。2010年ごろにはHPVワクチンが承認・発売され、わが国でも子宮頚がんになる女性が激減することが期待されています。それでは現状はどうか? セックスが行われれば9割近くが何らかのHPVに感染するだろうと言われています。100種類もあるわけで、感染の事実があったからといって誰もががんになるわけではありません。でも、異型細胞が出ているわけですから、6カ月ごとの検診を受け、セックスに際しては最初から最後までコンドームを使用することを心がけてください。あなたのように意識の高い女性であれば、さほど心配するには及びませんよ。

■Q3 私はセックスをしたあとよく膀胱炎になります。病院に行くと「また?」と言われるほどです。女性はなりやすいとよく聞きますが、いい予防方法やセックスのとき相手に気をつけてもらうとよいことはありますか? 彼とは金曜や土曜の週末に会うことがほとんどなので週末に膀胱炎になることが多く、週末は病院もやっていないため月曜の就業後までとても苦痛です。なんとか自分で治せたらと思うのですが薬局で薬を売っているわけではないしそれは不可能なのでしょうか。(リサ 22歳)

 A3.「膀胱炎」という言い方をしますが、細菌が検出されるわけではないことが多々あります。性器の構造を見れば、膀胱と腟とが薄い壁を隔てて接していることをご存じでしょうか。セックスが行われることで膀胱が刺激され、頻尿・残尿感・排尿痛など膀胱炎のような症状が表れることがあります。症状が長期化するのであれば別ですが、仮に一時的なものであれば、セックスによる膀胱刺激とでもとらえて様子を見られてはいかがでしょうか。

■Q4 月経が約4年ほど来ていません。4年前にも1年ほど来てないこともあって婦人科を受診しました。その時は月経がないことではなく原因不明の腹痛の診察目的でした。しかし、その診察過程で婦人科にもかかりました。細菌感染などの検査や血液・内分泌の検査をしましたが、細菌の疑いがあるとのことで抗生物質投与の治療でした。また、注射による投薬で一度は月経がきましたが、それ以来来ません。受診をしようにも時間的制約や内診への不安・周りの目が気になります。それらが重なり、特有の不便さがないことをいいことに放置してあります。それはやはりよくないのでしょうか。(25歳 事務職)

 A4.低用量経口避妊薬(OC)を連続服用した結果として月経の時期を調節するのであれば問題はありません。というのは、女性ホルモンが継続して働き続けるからです。でもあなたの場合には間違いなく女性ホルモンがその役割を果たすほどには分泌されていない。これでは困ります。早急に産婦人科を訪ねてください。内診への不安や周りの目が気になることはよく理解できます。でも、セックスがあろうがなかろうか、生まれてから死ぬまで、女性には月経にまつわる女性特有の病気があるのです。それを放置して女性としてのあなた自身のカラダが壊れていくことの方がもっと問題だと思いませんか。

■Q5 最近体重が減り、喜んでいたらバストサイズまで減ってしまいました。彼氏にも「小さくなったね」と言われ少しショックをうけています(悪気はないのでしょうけど……)。そこで雑誌に載っていたバストアップサプリに興味をもちました。このサプリは大豆イソフラボンの100倍のイソフラボンが入っているようで、女性ホルモンに大きく作用してバストアップ効果を出すようです。しかし、ホルモンに作用する、ということでちょっと不安になりました。本当に効果があり、安全なのでしょうか? 私はまだ妊娠の経験がないのですが、今後に影響は考えられますか? さらに、「そういうサプリがある」と60歳になる母に言うと、母が「試してみたい!!」と強く言うのですが、閉経後の女性がそんな大量のイソフラボンを摂取していいものか悩んでいます。(みみ 33歳 会社員)

 A5.僕自身は健康食品とかサプリメントの類に疑義を抱いている者のひとりです。莫大な時間と、労力と、お金をかけて処方せん薬が承認される経験を身近に体験している医師としては、これらの類があまりにも安直に世に出てしまっていることに疑問や不安を抱かずにはおれません。大豆の中に含まれている程度のイソフラボンであればさほど気に留める必要もありませんが、サプリメントとはいえ仮に大量のイソフラボンが含まれて女性ホルモン作用を示すとしたら身体に与える影響を無視することはできません。所詮、お薬によってバストアップが図られるはずもなく、誇大広告に惑わされて財産を失うことにならないようにご注意ください。

■Q6 今までで2回セックスをしました。でも、2回目も最後まで入れる前に痛くなり、それに結構な量の出血がありました。決して相手は無理矢理入れたわけではないんです。原因がわからなくて不安です。あと、セックスのあとに生理がきます。1カ月に2回きました。それも不安です。(あーちゃん 20歳)

 A6.一般に生理(正確には月経と言いますが)とは排卵の結果として起こるもので、セックスをしたからといって生理になるわけではありません。メールを拝見する限り、セックス初心者のご様子。出血が鮮血であるとしたら処女膜の破瓜(はか)が原因と考えるのが妥当だと思われます。処女膜だから初回だけというわけではありません。それを生理と誤解していらっしゃるのか、それとも、接触出血といって子宮の入口に“びらん”と呼ばれるただれがあってペニスにこすられて出血をする場合もあります。不安でしたら一度産婦人科を訪ねてみては如何でしょうか。

■Q7 こんな相談でいいのか悩んだのですが、とても気になるので相談させてください。34歳で2児の母、2人とも帝王切開でのお産です。夫とは非常に相性がよくて、非常に満足なセックスライフを送れています。相談は、セックス時、私はいわゆる潮吹きという現象になってしまうのですが、当初は何の問題もなかったのですが、最近はまれにしか潮ふき作業をしないのに、そのたびに出血してしまうということです。それも鮮血で、多分激しくこすっているので、膣内のその部分が薄くなって血が出ているような感じです。痛みなどは全くありません。子宮癌検診などは毎年受けており、先日は初めて子宮体癌検診も受けました。婦人系の病気ではないと思われます。ただ、婦人科にこのような理由を説明して受診するのがためらわれます。もしよければ相談に乗ってくださると有り難いです。よろしくお願いします。(chibiri 34歳)

 A7.chibiriさんのおっしゃる通りだと思われます。潮吹きについては『Dr北村ただ今診察中』第111話でも取り上げておりますが、腟前壁を刺激することによって起こり得る現象です。アダルトビデオなどではそれを男優のテクニックのひとつであるかのように面白おかしく取り上げることもあり、これでもかこれでもかと激しく刺激し出血にまで至ってしまうカップルが少なくありません。僕の友人でありカリスマAV男優加藤鷹さんなどは“潮吹き名人”とも呼ばれていますが、会う度に爪の処理をしている姿が印象的です。わずかでも爪が伸びているために腟壁を傷つけてしまうことを恐れているからです。そんな観点からパートナーの指の爪の状態や刺激を与えるときの問題を見直してみることです。最後に申し上げますが“潮”を吹くことと“オーガズム”とは直接関係するものではありません。

2008年8月21日

 

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