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オーマイニュースは失敗したのだろうか 商業主義とジャーナリズムの狭間で

オーマイニュースは失敗したのだろうか 商業主義とジャーナリズムの狭間で
オーマイニュースの編集方針を告げる記事。オーマイニュースのHPより引用。
【PJ 2008年08月21日】− パブリック・ジャーナリズムを実践する韓国発のパブリック・メディア「オーマイニュース」が8月末で「ニュース」の看板を下ろし、商品の体験記などをつづる「オーマイライフ」へと衣替えする。この件でわたしは昨日、ある新聞記者から取材を受けた。内容はというと「なぜオーマイニュースは失敗したのか」ということだった。

 ジャーナリズム的に失敗したかどうかは分からない。経営的に窮地に追い込まれていることは確かだ。2年前にソフトバンクがオーマイニュースの韓国本社と日本法人にあわせて約11億円もの資金をつぎ込んで、オーマイニュースは華々しく日本での創刊を果たした。人気キャスターの鳥越俊太郎氏を編集長に据え、パブリック・ジャーナリズムのセンセーショナル的な拡大をもくろんだのだが・・・。

 いったん社員を全員解雇し、経営陣の刷新を図るなど、外形的に見てこのもくろみは失敗した。韓国の成功モデルを日本に持ち込んでも成功しないことは明らかだった。わたしはオーマイのオ・ヨンホ社長に日本版創刊以前から再三にわたってこのことをアドバイスしてきたし、他のネットメディア関係者も同様の指摘をしてきたという。

 敗因はというと、市民記者への研修制度が無い、理不尽な「プロ市民」をうまくあしらえないなど、細かいことをいえばきりがない。かいつまんでいえば、日本の言論の自由は歴史的に韓国のそれほど浅くないし、現況も韓国ほど悪くない。ましてや、マスを対象にしない内容の記事など商業的に成功する可能性は非常に低い。PJニュースにしてもライブドアのサポートがあってこそ存続しているし、市民メディアのJANJANも上場企業の富士ソフトからの支援によっているそうだ。

 つまるところ、編集の部分を徹底的にコスト管理し、集まってくれたPJの皆さんの好意と協力にすがって生き延びていく以外すべは無い。社員を10人ほどかかえ、豪華なオフィスとコンピューターシステム、そして市民記者に対しての至れり尽くせりのサービス。オーマイニュースはヒト、モノ、カネ、ジカンをかけすぎたのだろう。

 手探りの状況で、こうした状況に陥ったのは致し方ないのかも知れない。個人的には鳥越俊太郎氏の無責任な身の振り方がオーマイ日本版の最大の敗因だと思う。ガンを理由に編集長を辞任したが、その後もテレビキャスターの仕事は続け、ガン保険の広告にまで出演している。結局、鳥越氏は名誉とカネという個人的な欲望が目的だった。彼は希望を託して集まってきた多くの市民記者にどう説明するのだろうか。

 だが、わたしを含め外野からこれまでの経営に関して、オーマイ社員や市民記者がとやかく言われる筋合いは無い。これらを身にしみて理解しているのは、いま残っている社員や市民記者らなのだから。精いっぱいやってもらいたい。

 ただ、このことだけは心して欲しい。商業的(資本主義的)に成功することと、ジャーナリズム的(民主主義的・自由主義的)に成功することは意味が違う。これら2つの主従が逆転しても致し方ないかも知れないが、カネだけに陥ってしまうと、パブリック・ジャーナリズムを実践するパブリック・メディアの看板に疑問符が付いてしまう。

 パブリック・ジャーナリズムの実践として「パブリック・メディアなんてやめて、ブログやホームページでやれば良いではないか」という声も聞こえてくる。わたしはこれは違うと考える。一般の人々の声がより多くの他の一般市民の目に触れる場所を提供するだけでも、意味があると考えるからだ。オーマイニュースはいまが踏ん張りどころだ。ジャーナリズムのスピリットを持って続けて欲しい。【了】

■関連情報
PJニュース.net
『言論江湖』 PJ小田の視点
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 小田 光康【 東京都 】
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