【ソウル=島谷英明】韓国の通貨ウォンの下落圧力が再び強まってきた。21日のソウル外為市場でウォンの対ドル相場は1ドル=1054.9ウォンで取引を終え、終値ベースで約2年10カ月ぶりのウォン安・ドル高水準となった。韓国経済の減速懸念、投資資金の世界的なドル回帰の流れが背景とみられる。
ウォン相場は7月初めに1ドル=1050ウォンまで売り込まれた後、韓国政府と韓国銀行(中央銀行)が大規模なウォン買い・ドル売り介入を実施。一時は900ウォン台に戻したが、荒い値動きが続いている。
韓国政府・韓銀は輸入インフレにつながる過度なウォン安阻止のために為替介入を辞さぬ姿勢を示している。ただ21日は介入とみられる動きがなかったことから、ウォン売り・ドル買いの勢いが増したもようだ。(07:00)