デモ封殺の指摘に中国外交部「興奮剤足りないのか？」

　中国外交部の秦剛報道副局長（写真）は20日、定例記者会見でデモに対する批判的な質問に対して「興奮剤が足りないのか？」などと応じた。

　記者は、北京市内でチベット独立を支持する抗議活動を行った外国人が警察に身柄を拘束されたり、デモを申請した中国人の女性2人が労働教育処分になったとして、「新華社によれば、北京市はデモを1件も許可していない。これで民主が具現されていると思うのか」と質問した。

　秦副局長は「あなたは新華社の報道でがっかりしたのか。興奮剤が足りなかったか」などと応酬。背景には「外国メディアは、中国に“騒ぎ”があることを望んでいるのでは」といった不信感があるとみられる。

　秦副局長はデモについて、「これまで北京市公安局が示した見解に付け加えることはない」と述べ、「中国ではその他のいかなる国と同様、デモの申請は関連法に照らして処理される」と主張した。

　外国人のデモについては、「彼らも中国の法律を順守しなければならず、違反があった場合、中国当局は法にもとづいて処理する権利を持つ」と述べた。

　秦副局長はチベット問題にも触れ、「私が強調したいことがある。チベットの分離独立を支持する活動は中国では歓迎されず、中国人民の強烈かつ一致した非難に遭遇することは必然ということだ」と述べた。

　中国にとって北京五輪は、目ざましい発展と将来性をアピールする絶好の機会になるはずだった。しかし、政府各部門が主催する記者会見などでは、民族問題や言論の自由など、外国メディアが「中国の負の側面」とみなす領域を問いただすことが多く、担当者がいらだちをみせることがある。（編集担当：如月隼人）

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