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【主張】タンカー乗っ取り やはり給油支援は重要だ

2008.8.22 03:12
このニュースのトピックス主張

 日本のシーレーン(海上交通路)の安全がいかに脅かされているかを如実に示す事件だ。アフリカ・ソマリア沖で東京の海運会社が運航するパナマ船籍タンカーが21日、海賊に乗っ取られた。

 スエズ運河に直結し、欧州と中東、アジアを結ぶこの海域の安全は極めて重要だ。日本の国益そのものである。

 忘れてならないのは、安全を守っているのが欧米などの多国籍海軍であり、海上自衛隊の給油支援を受けていることだ。

 日本は法的な制約から、自国タンカーを守ることすら他国に依存せざるを得ない。海賊行為を排除することができない法的な不備は一刻も早く是正されねばならない。だが、現状では来年1月に期限が切れる給油支援を延長し、国際社会の一員としての責務を果たさなくてはなるまい。

 問題は国際共同行動を担うという政治の意思がいまだにはっきり見えないことだ。公明党だけでなく、自民党内からも新テロ対策特別措置法の延長に慎重論が強まっている。臨時国会の会期幅が決まらないのもそのためである。

 公明党は新テロ法延長の再議決を前提にした会期には反対との考えを自民党に伝えたが、国際平和協力を放り出そうというのか。太田昭宏公明党代表が昨年12月、「テロ新法は必要」と述べ、再議決に賛成したのは一体何だったのかと疑問を持たざるを得ない。

 シーファー駐日米大使は20日、麻生太郎自民党幹事長と会談し、新テロ法延長について「日米同盟だけでなく日本と国際社会との関係においても重要だ」と強調したことを重く受け止めたい。

 ソマリア沖では今年4月、日本郵船の15万トンタンカーが海賊船から、5発の対戦車ロケット砲を発射され、被弾した。あわやというとき、駆けつけたのはドイツの駆逐艦だった。

 昨年10月には東京の海運会社のケミカルタンカーが海賊に乗っ取られた。追跡し、海賊の逃走用ボートを沈めたのは米駆逐艦であった。海自の給油支援を中断した場合、日本はシーレーンの安全をどこに委ねるというのだろうか。

 国連安保理は6月、各国に海賊行為の制圧を求める決議を採択した。国連決議を重視する民主党は海賊掃討のための枠組みを主張すべきではなかったか。

 与野党とも日本が置かれている立場をもっと直視すべきだ。

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