ふ・・・福澤さん、それヤバイっす(汗)
ちょっと前に測量界の偉人、小野友五郎さんの名をテレビでみたせいか、
久しぶりに中公新書の『小野友五郎の生涯』を外出の合間に読み直した。

これを購入したのは長崎伝習所にはまったころで、
そのため目をギンギンに読んだ箇所は
やはりそのあたりだったわけで、
読み直すと意外と忘れている箇所がいくつもあった(汗)。

・・・で忘れていたなかに、

Ⅵ 米国再航ー即製軍艦の買付け
の章の「お荷物随員・福澤諭吉」という項がありまして。

小野友五郎さんがアメリカに例の「ストンウォール」買い付けにいったときのことです。

福澤さんが、英会話がロクにできないのに「できる」といって
通訳として随行員に加えてもらったあたりは、まぁ・・・亜米利加に行きたいのね、
で済まされるのだが、出発地横浜にて福澤が為替を組む役目だったが、
ニューヨークについたら現金化できない、雑用係に彼が雇ったチャールズに
金を持ち逃げされる、日本から米国大統領への贈り物を含めた荷物の
荷揚げ交渉に(英語出来ないから)手間取り、そのせいで
謁見の日に小野たちが大統領に贈り物を渡せなかったり・・・・・・とんと使えない男なのだ。

「福澤は他の団員と違って、使節団の重要な使命も団員としての責任も自覚しておらず」
とこの本の著者の藤井さんは書いているが、この続きがもっとすごい。

しかも今回の使節団にもぐりこんだ目的は大量に自分の書物を買いつけ
にいくためで、その買い物に奔走していて他の仕事をあまりやろうとしない。
小野はそれではと、幕府で必要な本もついでに購入してくれというと、
仕入れ値で購入した書籍を正規料金で清算・・・つまりふっかけようとする。
それだけではなく、私的な買い物を公金で清算する始末。
そして他の人は私的購入品は別荷物にして運賃を払ったのに、
福澤は私的な書物を公金で購入した荷物に紛れさせて、
荷物の運賃をごまかそうとした。
こんなことが度重なり、日本へ戻った小野友五郎は福澤を訴え、
自らも監督責任を感じて、進退伺いを出した。
後に福澤が友人に語ったところによるとこのときの公金横領額は15000ドル。
この本では「15000ドルは、ダールグレン大砲2台分」といっている。

・・・・・立派な公金横領犯です、福澤さん。しかもセコイ横領犯(爆)。

で、この訴えはどうしたかというと、このすぐ後、徳川は瓦解してしまったため、
それどころではなかったというわけで、命拾いしたわけですね、諭吉さん。

かえって小野友五郎のほうが、徳川瓦解のおり、朝敵だのなんだのと罪をかけられ、
牢獄に入れられてしまったのですから、世はまさに理不尽なり、です(汗)。

このとき、「ストンウォール」の御代も、3分の2しか払えず、
残りは後払いにしたこともあって、
榎本海軍副総裁があれだけアメリカ公使に交渉したにもかかわらず、
結局は西軍(官軍)側に持ってゆかれてしまいました・・・が。
・・・・邪推かもしれないですけど、諭吉(もう呼び捨て)が大砲2台分も使い込みせず、
せめて4分の3払えていたら、
・・・・・榎本艦隊にストンウォールが加わっていたかも!?(爆)

それにしても友五郎さんは理性あるお方です。
もし自分がこの使節団の団長だったら、
帰りの太平洋で諭吉さんを海に捨ててきちゃいますもの、マジで(笑)。

前々から福澤さんが人物として底の浅いというふか、
セコイことは史料を読んでいてうすうす感じてはいたのですが、
それどころではなく、犯罪やってるし・・・・・・(涙)。
これで人物鑑定師の木村芥舟と親友だというのだから、世の中わかりましぇん。
(木村さんも騙されていたのか?(笑))

本の読み直しってとてーも大切だと身に染みました。
by aroe-happyq | 2007-03-29 10:43 | 広く幕末ネタ | Trackback | Comments(0)
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