医療介護CBニュース -キャリアブレインが送る最新の医療・介護ニュース-

CBネット |  医療介護CBニュース

倒産・事件事故


「合併症は『異状死』でない」は画期的

 特定非営利活動法人(NPO法人)医療と法律研究協会(上松瀬勝男理事長)は8月21日、福島県立大野病院事件の無罪判決を受け、声明を発表した。

【関連記事】
大野病院事件、被告医師に無罪判決
傍聴には多くの医師の姿―大野病院事件判決
無罪に対し何をすべきか―日病・山本会長
医療現場復帰に意欲−加藤医師が会見
「真実を知りたい」−被害者遺族が会見

 声明ではまず、業務上過失致死罪について、「実地医療の困難さと医療自体の不確実性を理解した、妥当な判決である」と評価。さらに、判決が「医師に医療措置上の行為義務を負わせ、その義務に反した者には罰則を科する基準となり得る医学的準則は、臨床に携わる医師がその場面に直面した場合、ほとんどの者がその基準に従った医療措置を講じていると言える程度の一般性、通有性がなければならない」としている点に触れ、「刑罰を科す際の一定の判断基準を示して」いると指摘した。その上で、「本判決を期に、医療事故に対する警察の安易な介入や医療従事者に対する安易な身柄拘束が抑止されることを期待する」としている。
 さらに、医師法21条違反については、判決が「過失なき診療行為をもってしても避けられなかった結果、すなわち合併症による死亡は、医師法21条のいう『異状死』に該当しないということを明らかにして」いると指摘。「合併症か否かは容易に判断し得るものではないため、医療現場の混乱を完全に解消することができないにしても、混乱の解消へと導く第一歩として画期的な判断がなされた」と高く評価した。

 最後は、医療再生ヘ向けた提言で、「医療事件を刑事手続きによって解決を図ろうとすることは決して好ましい方法ではない」と指摘。「医療事件の解決方法として、ADRやメディエーションなどの対立構造によらない対話による解決方法が模索されているところであるが、これらの制度を進めていき、医療従事者が安心して医療に専念できる環境づくりを目指していく」としている。


更新:2008/08/21 19:24   キャリアブレイン


このニュースをメールで送る

ご自身のお名前:


送信元メールアドレス(ご自身):


送信先メールアドレス(相手先):


すべての項目にご記入の上、送信ボタンをクリックしてください。

新着記事


CBニュースからのお知らせ

CBニュースは会員サービスの“より一層の充実”を
図るため、9月上旬より、掲載後一定期間経過した
記事の閲覧にログインが必要となります。

今後ともCBニュースをご愛顧いただけますよう、
よろしくお願い申し上げます。

ログイン-会員登録がお済みの方はこちら-

キャリアブレイン会員になると?

転職支援サービス

専任コンサルタントが転職活動を徹底サポート

スカウトシステム

医療機関からスカウトされる匿名メッセージ機能

医療介護ニュース

独自記者の最新の医療ニュースが手に入る!

キャリアブレインの転職支援サービスが選ばれる理由

【第24回】高橋洋一さん(東洋大経済学部教授) 政府は来年度の予算編成で、真に必要なニーズに財源を重点配分する「重要課題推進枠」を設ける一方、医療や年金など社会保障関係費の自然増については、従来通り2200億円の削減を決めた。社会保障費の削減に対しては、医療界からの反発が強いものの、財政再建型路線は ...

記事全文を読む

1人ひとり 個別の条件を大切に東京勤労者医療会「東葛(とうかつ)病院」(千葉県流山市)ママさん看護師も多数活躍 看護師の厳しい労働実態が指摘され、離職率が新卒で9.3%、全体では12.3%に達するなど、看護師の離職を避ける取り組みが看護現場の重要な課題になる中、「長く働き続けられる病院」が、千葉県流 ...

記事全文を読む

夏の健康管理に気をつけて!

各地で「猛暑日」となる気温35度を記録するなど、今年の夏も暑い日が続いています。体調を崩さない為に夏の健康対策をどうすればいいか、医師に尋ねました。

>>医療番組はこちら


会社概要 |  プライバシーポリシー |  著作権について |  メルマガ登録・解除 |  スタッフ募集 |  広告に関するお問い合わせ