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【社会】

警官ら8000人を配備 五輪女子サッカー、トラブル封印

2008年8月16日 朝刊

 【秦皇島(中国河北省)=平岩勇司、高橋治子】終戦記念日の15日に行われたサッカー女子日本−中国戦で、中国側は会場全体に武装警官やボランティアを配置。日本人観客が顔を小突かれる騒ぎがあったが、開催国のメンツをかけた厳重警備で大きなトラブルは封印した。

 関係者によると、6日の日本−ニュージーランド戦より警備を強化し、警察官1900人、ボランティア3000人を動員。私服警官も一般客に交じり、総勢で約8000人が「国歌斉唱で起立しなかったり、日本にやじを飛ばす観客はただちに制止しろ」と指示を受けた。北京の日本大使館も公使ら3人を派遣した。

 試合前の君が代演奏が始まる際は数秒間ブーイングが起きたが、観衆のほとんどは起立し、演奏を静かに聴いた。試合中は通常のサッカーで見られる程度のブーイングはあったものの、汚いやじは聞かれなかった。

 ただ、前半の半ばごろ、横浜市から応援に来た会社員中島出(いずる)さん(28)が、前の席にいた中国人男性に応援用風船で顔を小突かれ、日の丸の小旗を折られ、放り投げられた。周辺のボランティアや警察官が中国人男性を制止。投げられた日の丸を捜して粘着テープで修理し、中島さんに謝罪して返した。

 観客の1人、王吉老さん(39)は「日本戦で応援に力は入るのは事実。だけど中国が負けたのも実力」とあきらめ顔だった。

 

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