医学生を招き県内の医療の現場を伝えるセミナーを取材し、その場の五人がすべて女性だったのを一瞬、意外に思った。産科や小児科が中心の周産期医療を回るコースだったのを思い出し、女性に人気が高いのも当然かと思いつつ、ふと不安に思うことがあった。
富山市民病院の新生児集中治療室(NICU)休止を受けてあった検討会では、委員から医師の過重労働が続く過酷な実態の報告が相次いだ。現場のぎりぎりの努力で維持されているが、崩壊しかねない、と。
赤ちゃんを沐浴(もくよく)する場面を見て「かわいい」と純粋に将来の仕事に思いをはせていた彼女たちの笑顔が消えないような体制づくりを望みたい。 (稲田雅文)