大正初期のロマンが漂う洋式木造建築物
平成9年に国登録文化財となった洋式木造建築物。琴電長尾駅から長尾街道(旧道)を東へ、87番札所の長尾寺を通り過ぎて約1km歩くと、道の南側に当該建築物が現れる。
この建物は、現在忰山泰弘さんの所有物であるが、かって長尾警察署として 1917年に建築されたもので、時代を反映して警察の威厳をもつとともに建物の建築美観にも気を配っている。
建物の特徴は
- 建築物は、石材と赤レンガを組合わせた高さ 0.6m の基礎の上に木造平屋建てがどっしりとのっている。
- 張り出した玄関ポーチを備えた中央正面は、両側にガラス窓をもち左右対称にして全体のバランスをとっている。
- 玄関ポーチは、切妻屋根下部と水平材に囲まれた三角形のペディメント(Pediment)を備えており、支柱は一重基壇の上に古代ギリシャ建築で用いられたドリス式オーダー(Doric Orders)であり、下部から上部へ向けて少しずつ細くなるエンタシス(Entasis)の美しさを醸し出している。
- 建物の正面屋根中央には、丸い小さな屋根をもったドーマーウインドウ(Dormer Window)があり、建物全体のアクセントをつけている。
| 一重基壇 | Doric Orders | Pediment | Dormer Window |
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| ・建築時期:1917年(大正6年) | ・構造・型式:木造平屋建、瓦葺 |