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製造・研究・開発



出光グループの研究開発体制

新規分野への取り組み

出光では、石油、石油化学で培った技術をベースにして、エレクトロニクス材料やアグリバイオの分野で新規ビジネスを展開しています。

電子材料

有機EL材料は、先進技術研究所のコア技術のひとつ「分子設計および精密有機合成技術」から生まれた製品です。有機ELは動画性能に優れた鮮明な画像と消費電力の少なさから、最近注目されている新しい表示方式で、携帯電話サブパネルやカーステレオに採用されており、今後モバイルテレビなどへの応用が期待されています。1997年、出光は技術的に難しいとされていた青色発光で、世界で始めて実用性能を有する有機EL材料の開発に成功し、以来、発光色など、材料のラインアップを充実させて、現在は国内外数十社の電機メーカーに材料を供給しています。出光では有機ELの普及に向けて、更なる材料の性能向上や周辺技術の開発に注力しています。2003年度は青色材料で従来比2倍の長寿命化、そして緑色では従来比5倍の長寿命化に成功し、業界から大きな反響をいただきました。

「IZO®」は、出光が独自に開発した透明電極材料で、主に液晶ディスプレイ(LCD)において、液晶に電圧をかけるためにガラス板上に薄く成膜して使用されます。従来品と違い、IZO®は環境負荷が少ない弱酸でも精密なパターン加工ができるなど、加工性に優れ、また成膜時に異物の発生が極めて少ないことなどから、高性能、大型化が進むLCDの生産効率向上に寄与しています。また、レーザープリンターや複写機の心臓部である感光ドラム用として、出光の特殊ポリカーボネート樹脂の採用が進んでいます。

出光は高い耐久性を持つ樹脂を供給することで、省資源化に貢献しています。

※「IZO」は出光興産(株)の登録商標です。

関連情報

電子材料

TOPICS
有機EL技術ディスプレイ


有機ELの原理

有機ELディスプレイは、液晶やプラズマに次ぐ次世代ディスプレイとして期待され、これを応用した携帯電話、電子手帳、さらに壁掛けテレビなどの開発競争が展開されています。有機ELは、電流を流すと自ら発光する点が液晶と大きく異なり、これを用いたディスプレイは薄くて軽い、消費電力が少ない、コントラストが高い、視野角が広い、応答が速いといった優れた特長を備えています。
当社では、青色発光材料の開発に続き、黄、橙、赤、白、緑色の発光材料の開発にも成功、それらの発光材料を活かす周辺材料・技術にも力を注ぎ有機EL材料のあらゆるニーズに応えるべく研究開発を行っています。

また、色変換方式「CCM方式」を用いて1997年に5インチ、10インチのディスプレイを発表し、2002年に高性能白色発光を利用した3万時間の寿命を持つフルカラー有機ELディスプレイ技術の開発に成功しました。CCM方式は、色変換層によりフルカラーに必要な赤、青、緑の光の三原色を得るもので、大画面対応が可能なこと、製造歩留まりが良いこと、長時間駆動しても色ずれが少なく、駆動技術が簡略化できるなどの利点があります。

CCM方式の原理

CCM方式を用いた
フルカラーディスプレイ

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農業・畜産資材

当社は、先進技術研究所で実施していた微生物分離・培養技術をもとに、農業、畜産関連のアグリバイオ事業を展開しています。農業関連では、植物の成長を促進する菌根菌の工業的培養に世界で初めて成功し、1993年に微生物農業資材「Drキンコン」として商品化したのをはじめ、これまでイチゴ炭そ病、うどんこ病を予防する生物農薬「バイオトラスト」、ゴルフ場の芝の刈りかす分解を促進する「グリーン用イデコンポG」、野菜や果実の灰色カビ病を予防する生物農薬「ボトキラー水和剤」など数々の微生物資材、生物農薬を商品化しています。これらは、化学肥料や化学農薬の使用量を削減でき、農地や河川の生態系維持と食の安全性に寄与しています。畜産関連では、家畜疾病の予防を目的とした生菌剤の開発を進めています。

当社は、土壌から分離した枯草菌の大量発酵生産技術を確立し、豚・鶏用飼料添加物「モルッカ」、牛用飼料添加物「サバナ」等を商品化。これらは抗生物質の使用削減に効果をあげています。また、BSE発生以降、牛の飼料として動物性タンパク質の使用が禁止され、良質のタンパク質が供給されにくくなったことから、加工大豆飼料「アミノアシスト」を商品化し、さらに子牛用・豚用のサプリメントとして数種のアミノ酸と生菌剤を配合した商品の開発を進めています。

飼料添加物
「モルッカ(豚用)」
「サバナ(小牛用)」

関連情報

畜産関連資材

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リチウムイオン二次電池用固体電解質

環境にやさしくパワフルな「リチウムイオン二次電池」の可能性。

リチウム電池でLEDを点灯。

使い捨ての一次電池とちがい、充電して何度も使え、小さくてもハイパワーなリチウムイオン二次電池(蓄電池)。暮らしのなかでは、携帯電話やノートパソコンなどでおなじみです。二次電池はハイブリッドカーや電気自動車などにも搭載され、排気ガス削減の一端を担っていますが、素材には高価なニッケル、環境や人体への影響が心配される鉛やカドミウムなどが主に使われてきました。一方リチウムはもともと自然界に豊富に存在する元素で、軽量で大きな電力が得られ、廃棄時も環境への影響が少ないことから注目を集めています。現在、二次電池の中身である電解質には他の電池と同じくイオンを通すための電解液が使われていますが、これを固体にするという、電池の常識をくつがえすような試みを、出光は行っています。

「電池の中身をすべて固体に」という、小さいけれど大きな挑戦。

電池の中身がもれ出てくる。発火などのトラブルが発生する。それは、イオンを通すための電解質が液体であることが一因です。そこで出光では、すでに製造技術を独自に確立していた「硫化リチウム」を使って固体電解質を開発。液もれや破損のリスクを減らして汎用性を高めれば、環境負荷が少なくハイパワーなリチウムイオン二次電池はより環境にプラスに働けるのでは、と考え、固体電解質の研究に早くから取り組んでいた大阪府立大学と共に、中身は液体でなければならないという電池の常識への挑戦をスタートしました。

他社や公的研究機関とバッテリーを組んで、全固体電池の実現へ。

蓄電池として風力発電にも応用が期待されている。
(青森県・六ヶ所村)

出光は、他社や公的研究機関とパートナーシップを結び、さらなる研究開発を進めています。2006年の「国際電気自動車シンポジウム」では実際に固体電解質を使ったリチウムイオン二次電池のプロトタイプを発表し、0℃以下の低温状況での作動性を実証。ハイブリッドカーや電気自動車などのエコカーをより安全でパワフルに走らせる次世代型バッテリー向け固体電解質材料としての可能性に大きな期待が寄せられました。将来は、蓄電池として、天候や季節の影響を受けやすい風力や太陽光発電の安定供給をサポートしたり、夜間に電気を蓄えて昼間のピーク時に利用するなど、ムラやムダのない電力供給への応用も考えられます。幅広い実用化に向けてパートナーたちと知恵を出しあいながら、研究開発は続きます。

出典:『出光知エネルギー・レポート』


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